食に関わる映画を観賞して、その土地の食を楽しむ体験型映画祭「北海道フードフィルムフェスティバル」(実行委員会主催)のプレイベントが、2024年3月19日から札幌市内で行われ、最終日の同月21日、映画『そらのレストラン』の上映会と主演した大泉洋さん、本上まなみさんらのトークショーが行われた。また、『そらのレストラン』のモデルになった、せたな町と近隣の町で生産された食材を使ったシネマディナーも開催された。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。

(写真は、『そらのレストラン』上映後のトークショー)

 TOHOシネマズすすきの(札幌市中央区南4条西4丁目1-1、COCONO SUSUKINO5F)の8番スクリーンには約300人が集まり、『そらのレストラン』を観賞。映画終了後に主人公の亘理役を演じた大泉さんと妻役の本上さん、モデルになったせたな町・今金町の生産者グループ「やまの会」のメンバーらによるトークショーが行われた。

 本上さんは、「公開後に、せたなに家族を連れていきたいと思って検索していると、モデルの一人、富樫一仁さんが経営している民宿が見つかりました。富樫さんの奥さまが電話に出られて、久しぶりに声を聞いて2人で号泣したことを覚えています。家族で遊びに行きましたが、本当に楽しかった」と話すと、大泉さんは「本当に偶然ですが、私の家族も同じ日にせたなに行きました。皆で一緒にモルク大会をして遊んだ。『やまの会』の人たちも来てくれて料理を作ってくれましたが、せたなの食材はすごいなとあらためて思いました。また行きたいですね」と話した。

 11月22日から3日間行われる本イベントについて大泉さんは、「いろんな映画が上映されて俳優も来て、店ではおいしい料理が食べられるという夢のある映画祭が、北海道、札幌の地で生まれるのはうれしい限り。私も11月には参加させていただきたい。多くの映画を観て、札幌のレストランでおいしい料理を食べて盛り上げていただければ」と語った。

(写真は、シネマディナーで乾杯の音頭をとる実行委員長のクリエイティブオフィスキュー伊藤亜由美代表取締役)
(写真は、シネマディナーにサプライズ登場した大泉洋さんら)

 トークショー終了後には、大倉山ジャンプ競技場に併設された札幌オリンピックミュージアムアネックス2階の「ヌーベルプース大倉山」(中央区宮の森1274)で「シネマディナー」が行われ、約60人が参加した。『そらのレストラン』の世界観を味わえるディナーで、牛トンビ肉のカルパッチョや大豆のスープ、せたな沖サクラマスのポワレなど、せたな町と近隣の町の食材を使った料理が提供された。

 実行委員会の秋元克広札幌市長は、「北海道観光の楽しみは、食という人が8割にもなり、食を求めてのリピーターも多い。このイベントを皆さんと一緒につくり上げて、北海道の魅力を世界に発信していくフェスティバルにしていきたい」と挨拶した。同じく実行委員会の宮口宏夫北海道新聞社社長は、「皆さま方と共に、北海道、日本を代表するイベントに成長させていきたい」と述べた。

 実行委員長のクリエイティブオフィスキュー伊藤亜由美代表取締役は、「この映画祭をやりたいと思うようになったのは、2012年に公開された『しあわせのパン』がきっかけ。公開初日に新宿で関係者と観賞したが、上映後に近くのパン屋さんからパンがなくなりました。映像を観て、食べたくなるという衝動を受け止められるのは、北海道ではないかと。今までの映画祭の垣根を低くして、映画を観た後にその土地のものを食べて共感をシェアできたら素晴らしいと思った。ずっと言い続けてきたつぶやきが、今回の実行委員会設立に繋がった。北海道でなければできない映画祭を、世界に発信していくことを目標にスタートしたい」と熱く語った。

 シネマディナーには、大泉さんと本上さんに加えて、ディナーに提供されたサラダを大泉さんと一緒に、札幌テレビ放送(STV)のバラエティー番組『1×8いこうよ!』で作った木村洋二さんもサプライズ出演、ディナーを盛り上げた。



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