昭和14年創業の老舗銭湯「七福湯(しちふくゆ)」(札幌市中央区北4条東3丁目3)が、2024年3月末で閉湯する。後継者がおらず、店主の健康問題もあって、創業85年の幕を閉じる。(写真は、2024年3月末で営業を終える銭湯「七福湯」)

「七福湯」は、サッポロファクトリーに近い北4条通沿いにある。北4東6地区の市街地再開発で様変わりした地区のすぐそばだが、再開発の前には北海道ガスの球形ガスホルダーなどがあり、下町情緒が溢れた街並みだった。昭和14年に開湯し、現在の建物になったのは、昭和35年頃だという。店主は3代目の有賀則雄さん(72)。有賀さんは、高校生の時から銭湯を手伝い、この道60年近くになる。

(写真は、年季の入った自動制御盤)
(写真は、実父が堀った地下室に張り巡らせれている配管類)

 今でも、番台に座ったり、ボイラーでお湯を沸かしたりする作業に従事しているが、腰を悪くしたため閉湯を考えるようになり、昨年9月頃に閉湯を決断した。「後継者もおらず、継続は難しいと思った。重油の値上がりや風呂の掃除などを手伝ってもらっている人たちの人件費も上がっており、このあたりが潮時と考えた」と話す。84歳の常連客がいるほか、土日には若い人たちも来るようになって、収益面では赤字ではなくトントンの状態だという。建物の地下には、実父が自分で堀った地下室があり、そこには配管が張り巡らされている。ボイラーは4年前に更新したばかりだった。


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