(写真は、「WinActor」のシナリオ作成画面)

「WinActor」の活用事例には次のようなケースがある。大手家電量販店は夏の繁忙業務であるエアコン取付工事の作業指示書作成に「WinActor」を利用、Excelの受注リストより自動的にWordの指示書を作成する業務に活用して効果を発揮している。小売企業では、店舗別の売上精算日報業務で基幹システムから店舗の売上データをExcelで抽出、加工する業務を自動化することに利用、担当者は店舗への状況確認に注力することができるようになった。小売業界で適用できる業務領域は、POSデータ分析、配信業務、在庫状況や商品情報のアップデート、キャンペーン配信、販売統計分析、ベンダー請求と買掛データ照合、カード会員の申込書入力など、販売業務、本部業務、財務・経理、会員管理など多くの領域に及ぶ。

 RPAを実際に利用するには、プログラム作成なども必要になるケースが多いが、「WinActor」は特別な知識がなくても業務操作を「WinActor」自身が学習してシナリオのひな型を作成、GUI操作でシナリオの動作条件を編集することで、自動で正確に業務操作を再現することができる。

「WinActor」は現在、全国で約6500社、北海道では約200社が利用している。道内の活用事例としては、SATO社会保険労務士法人(札幌市東区)が挙げられる。同法人は、社会保険業務のアウトソーシングを行っているが、中には1万人規模の社会保険業務を代行している取引先もある。1万人の従業員の入退社や転居届け出、扶養届け出などを、これまでは人手を介して入力していたが、「WinActor」を導入することによって大幅な省力化に結び付けている。導入企業の多くはパソコン1~2台にインストールして利用しているが、SATO社労士法人では約60台にインストールして活用している。その他、大手流通チェーンでも「WinActor」を導入している。

 初期投資額は1台当たり年間90万8000円(税別)。導入支援として無償トライアルの1ヵ月のお試しパックと有償トライアルの2ヵ月お試しパックを用意している。無償は1ヵ月間自由に使え、顧客が効果を評価する。有償は、初心者向け操作研修と対面での技術相談が含まれ2ヵ月間、台数無制限でトライアルできる。価格は集合形式が3名まで12万円(税別)、訪問形式(Web開催含む)が10名まで19万円(同)。
 NTTデータ北海道では、直販とともに道内10社の代理店を通じて導入展開を進め、数年後には現在の200社から倍増、400社の導入を進める考え。「コロナ下で人になり替わって非接触で自動的に業務を遂行できる『WinActor』は、DX導入の手初めとしては最適なツール」としている。

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