NTTデータ北海道(本社・札幌市中央区)は、北海道内の企業や団体のDX(デジタル・トランスフォーメーション)に最適なツールとしてRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)「WinActor」の導入を積極的に働きかけている。自治体では、昨年の特別定額給付金の申請受付や今年のコロナワクチン接種の予診票データ入力業務などで既に使われており、作業時間の大幅な短縮・軽減に効果を発揮している。業種業界を問わず、企業や団体向けにDXの手始めとして普及を進めていく。(写真は、コロナ禍前の「WinActor」を紹介したNTTデータ北海道の出展シーン)

 RPAは、3年ほど前から働き方改革による残業規制などホワイトカラー業務の生産性向上が急務になっていることを受け、定常業務の自動化を可能にするソフトウェアロボットとして注目され始めた。基幹システムや情報系、営業系の周辺業務システムは簡単には改修できず、これらシステムを繋ぐ作業は人が手作業で入力することによって対応しているのが現状。こうしたシステム間を繋ぐ業務を人の手から解放、ソフトウェアロボットに覚え込ませて業務を遂行するのがRPA。

 適用できる業務領域は、システム開発をするほどの作業量ではないものの、一定程度の作業量があり人手に頼らざるを得ない業務領域。単純、反復、繰り返しでデータ件数も多く、現状は多人数で手分けして行っている業務のほか、構造化されたデジタルデータや業務が可視化され、安定性が高い業務領域にRPAは効果を発揮する。判断が伴うような非定型業務やアナログデータなど非構造データなどの処理は、導入に注意が必要な業務領域となっている。

 RPAは前述したように3年ほど前から導入する事業者が増え始めているが、当時のソフトは海外製が多く、使い勝手が悪かった。「WinActor」は、NTTの研究所で開発された純国産のRPAで高い信頼性と完全日本語対応、簡単な操作性、パソコン1台から使用可能という特徴があるほか、リーズナブルな価格帯が評価され、約1000億円の国内市場(2021年推定)の中で最も高いシェアを確保するまでになっている。

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