札幌と北広島の境界に出来た三井アウトレットモール大曲店は、オープンから2ヵ月半、その集客力には凄まじいものがある。休日ともなれば未だに車の長い列が続き、目の前を走る羊ヶ丘通を避けるドライバーも多い。
アウトレットで先行していた南千歳のレラとの競合は避けられず、アウトレット戦争はますます激しくなっている。札幌中心部からレラへ向う消費者を北広島で足止めできる三井アウトレットモールには地の利があるように見えるが、レラも先行してきた分、集客ノウハウが蓄積されており、様々なイベントでアミューズ機能を高めるなど一歩も引かない。
さて、三井アウトレットモールのオープンで、息を吹き返したといわれているのが、2年前にこの店のすぐ前にオープンしていたインターヴィレッジ大曲店。ここにはケーズデンキやスーパーアークス、ホームセンターのカインズなどが出店している。
2年前のオープン景気が過ぎ去ってからは売上げが低迷、昨年は2割程度の減収だったと見られている。
ところが、今年4月の三井アウトレットパークのオープンで息を吹き返した。5月以降は売上げが元に戻ったという。三井アウトレットに行きたい消費者がインターヴィレッジ大曲の駐車場に車を止めてぞろぞろと信号を渡る姿は最早定番になっている。
インターヴィレッジで衣料専門店を出している北雄ラッキーも売上げが伸びている。桐生泰夫会長によると、「2ケタの伸びは確実」と自信を示す。北雄ラッキーの衣料品は、三井アウトレットとは客層が違うため競合することはない。45~50歳以上の女性が中心客層のため、ファミリーで来店して子供連れの若い夫婦はアウトレット、その親たちはインターヴィレッジというような棲み分けがあるようだ。実際、アウトレットモールでは熟年層を見かけることは少ないという。
商業集積の効果ということができるが、大曲に吸い取られているのは札幌中心部のデパート各店やイオンなどの大型ショッピングセンター。イオンが閉鎖していた羊ヶ丘通沿いの西岡ショッピングセンターをリニューアルオープンしたのも、アウトレット対策のひとつかも知れない。
(写真は三井アウトレットパーク大曲)