証券会員制法人札幌証券取引所の次期理事長に、北洋銀行前会長で、北海道経済同友会代表幹事を務めた石井純二氏(72)が、就任する見通しだ。2024年5月下旬に開催される、同取引所の定期総会で正式決定する。(写真は、北洋銀元会長の石井純二氏=2021年4月撮影)

 現理事長の小池善明氏(78)は、JR北海道常務を経て旧北海道キヨスク(現JR北海道フレッシュ&リテール)社長、北海道ジェイ・アール商事会長在任中の2011年5月に札証理事長に就任。札証のIR活動や重複上場銘柄を増やすことに尽力したほか、アンビシャス市場の上場基準を緩和して、全国的なステップアップ市場に位置付けた。理事長の任期は3年間で、小池氏は2023年5月に再任され、5期目に入っていた。小池氏の任期は、2026年5月下旬まであるため、任期途中で退任になる。小池氏は札証70周年を迎えた2020年に退任する意向だったが、後任が見つからず続投した経緯がある。

 次期理事長に就任する見通しの石井氏は、1951年芦別市出身。1975年弘前大学人文学部卒、同年北海道拓殖銀行入行。2004年札幌北洋ホールディングス取締役、北洋銀行取締役、2006年北洋銀常務、2010年札幌北洋HD代表取締役副社長、北洋銀副頭取を経て2012年4月から頭取、2018年から会長、2021年3月に退任した。頭取在任中は、第2地方銀行協会会長を務めたほか、2018年度から2020年度まで、道経済同友会代表幹事も歴任した。

 頭取時代の2014年3月には、北洋銀、北海道銀行、一般社団法人北海道信用金庫協会と共同で札証と連携協定を締結、地元企業のIPO(新規株式公開)促進に協調して取り組む体制をつくった。札証の次期理事長に石井氏の名前が浮上したのは、今年2月頃から。同じ頃に行われた札証理事会後の懇談会では、水面下で話題になっていた。3月下旬の理事会小池理事長が退任を表明、4月下旬の理事会で石井氏の次期理事長就任を内定し、5月下旬の定期総会で正式決定の見通し。

 歴代の札証理理事長は次の通り。▷初代小竹文次郎氏(北門証券社長、1950年3月15日~1951年1月5日)▷2代寿原外吉氏(小樽商工会議所会頭、寿原商店社長、1951年2月20日~1965年6月16日)▷3代今井道雄氏(丸井今井社長、1965年6月16日~1990年9月4日)▷4代伊藤義郎氏(伊藤組土建社長、札幌商工会議所副会頭、1990年9月26日~2011年5月25日)▷5代小池善明氏(北海道キヨスク社長、2011年5月25日~)。※肩書は当時の役職。今井氏と伊藤氏は、その後札商会頭に就任した。


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