コープさっぽろ(本部・札幌市)は7日、札幌市教育文化会館で第48回通常総代会を開催、本人出席と書面出席を含め約1200人が参加し2012年度決算と13年予算を承認した。大見英明理事長は、新しいPOSレジを札幌市内に導入することや薬・化粧品のポイント付与を従来比2倍にしたこと、1000円の出資から組合員に加入できるようにしたため今年度新規10万人の組合員が見込めることなどを報告した。(写真は、7日開催されたコープさっぽろ通常総代会)
 
 2012年度の事業高は2547億円(前期比0・1%増)、経常剰余は30億円(6・4%増)、当期剰余金は8億円(29・2%減)。前期繰越損失は206億円だったが、当期剰余金をあてるため198億円と200億円を下回った。
 
 店舗別売上のベスト5は、①ルーシー店(札幌市)55億5300万円②ソシア店(同)49億4200万円③ステイ店(苫小牧市)36億8000万円④にしの店(札幌市)33億2000万円⑤平岡店(同)32億9500万円。
 
 新規店舗の売上げは、西宮の沢店(同)15億円、とんでん店(同)11億7900万円、新橋大通店(釧路市)9億9600万円、さつない店(幕別町)11億7900万円。
 
 大見理事長は事業報告の中で、混雑時のレジ待ちを解消できる新しいPOSレジについて、現在は札幌市内に3店舗導入しているが今年度中に市内店舗で切り替え、来年度以降に札幌市以外にも導入していくとした。
 
 また、組合員への還元として①灯油、旅行部門のポイント還元に約5000万円②薬・化粧品のポイント付与を2倍にすることでコープ負担分が約6000万円増加③宅配の子育て支援として10歳までの子どもがいる家庭は手数料半額でコープ負担分約6000万円など、およそ2億円を組合員サービスに振り向けることを示した。このうち、薬・化粧品のポイント付与2倍によって、3月21日からの同部門売上げが2割増えているという。
 
 出資金についてこれまで5000円以上だったものを1000円からに引き下げた。この結果、3月21日からの2ヵ月間で高齢者を中心に2万2000人の出資=組合員加入があったことを報告、「2012年度の組合員は約141万人だったが、このペースで行くと今年度は10万人の組合員増になるだろう」と述べた。ちなみに12年度の組合員出資金は620億2400万円(11年度は616億8000万円)。出資金に対する割戻(株式会社の配当に当たる)は行っていない。
 
 2013年度予算は、事業高2583億円(12年度比1・4%増)、経常剰余44億円(同44・5%増)。事業高のうち店舗事業は1760億円(同0・5%増)を計画している。「優れた食品小売りチェーンは、売上高経常利益率が3~4%あるが、コープさっぽろは1・7%。経常剰余で70~100億円が稼ぎ出せるように頑張りたい」と表明した。
 
 なお、金融機関からの長期借入金総額は141億600万円(11年度154億7500万円)で内訳は以下の通り。
 
 三井住友銀行 47億3400万円(同55億8900万円)
 北洋銀行 35億8100万円(同40億8800万円)
 北海道労働金庫 27億4800万円(同33億4500万円)
 みずほ銀行 23億800万円(同24億7000万円)
 商工組合中央金庫 21億4500万円(同25億2100万円)
 中央三井信託銀行 21億1000万円(同25億6000万円)
 日本政策金融公庫 11億4800万円(同9億2700万円)
 日本政策投資銀行 5億円(同7億4100万円)
 りそな銀行 0円(同1億8700万円)
 東京センチュリーリース 6200万円(7900万円)
 富士通リース 5900万円(同7400万円)
 

 また、組合員借入金は357億1500万円(11年度317億9000万円)で、長期組合債255億700万円(同235億1900万円)、1年内返済予定組合債102億800万円(同82億7100万円)となっている。


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