アークス(本社・札幌市中央区)は2024年1月9日、2024年2月期第3四半期(2023年3月1日~同年11月30日)決算を発表した。売上高4364億1000万円、営業利益110億9400万円、経常利益123億4100万円、純利益79億700万円となり、前年同期間比4・2%の増収、7・9%の営業増益、7・1%の経常増益、1・8%の純利益増になった。第3四半期では、売上高は過去最高、営業利益、経常利益は過去3番目となった。(写真は、決算を発表するアークス・古川公一副社長)

 純利益の伸び率が、営業利益、経常利益の伸び率に比べて低かったのは、前年第3四半期に福原の惣菜会社統合による、負ののれん代8400万円の特別利益があったため。売り上げ増加に伴い、売上げ総利益(粗利益)が前年同期間比5%増、利益率も同0・1ポイント改善。電気料金や人件費の増加を売上げ総利益の拡大でカバーした。既存店売上高は、同4・1%増、既存店客数は同0・9%増、既存店客単価は同3・2%になった。

 物価高騰を受けて、アークスが加盟しているシジシージャパンの低価格PB(プライベート)商品「CGC商品」の拡販に注力、第3四半期累計でCGC商品比率は13・2%(前年同期間比0・2ポイント増)となり、ラルズは20・2%(同0・4ポイント増)になった。また、東北3社の酒類帳合統一により、同部門の粗利益率が0・7ポイント強改善した。

 ネットスーパーの「アークスオンラインショップ」は、ニセコの宿泊客向けサービスも開始。第3四半期に含まれていないが、2023年12月にラルズとベルジョイスで1億1500万円と初めて月間1億円を超えた。また、12月7日からスタートした「Amazonネットスーパーアークス」は、「売り上げはまだ大きくないが、アマゾンサイドの想定よりも上振れて進行している」(古川公一・アークス副社長)。

 通期予想は、売上高5820億円、営業利益148億円、経常利益162億円、純利益99億5000万円を据え置いた。古川副社長は、「昨年秋から、値上げの動静が落ち着いてきている。インフレ傾向は続くと思うが、価格上昇のスピードダウンによりトップライン(売上高)を確保できるかは多少微妙だが、業績予想は変更しない。着地見込みは強気でみている」と上振れの可能性も示した。


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