食品ボランタリーチェン本部の全日本食品(本社・東京都足立区)は、直営で展開していた小型食品スーパー「シティマーケット手稲富丘店」(札幌市手稲区富丘2条2丁目)を6日で閉店する。空き物件を利用して昨年9月に居抜きでオープンさせたが、計画通りに売り上げが確保できず9ヵ月で閉店することにした。20180601_170413(写真は、閉店する「シティマーケット手稲富丘店」)

 全日食は、地域の個人商店や小型スーパーなどにナショナルブランドのグロサリー商品を卸すとともに自社のセンターで惣菜製造や生鮮食品のパック詰めを行い加盟店に供給する事業を行っている。一方で、直営の小型食品スーパー「シティマーケット」を運営しており、道内では札幌市内3店舗のほか北見市や勇払郡安平町早来、斜里郡清里町に出店している。

「手稲富丘店」は、日本ハム関連会社の空き倉庫を利用して昨年9月に開店。国道5号線沿いにあり、近隣には食品スーパーがないため全日食は、採算が合うと判断したが、「予想していた集客ができなかった」(菅谷英司常務北海道支社長)ため6日で閉店することにした。

 閉店後は、乳製品や日配品のチルドセンターとして引き続き利用する。現在は、恵庭市戸磯の北海道支社内にあるセンターからチルド商品を札幌市内に運んでいるが、運送費の低減やトラック運転手の労働時間短縮を図るため札幌市内に新たにチルドセンターを設けることにした。
 
 手稲富丘地区の国道5号線沿いでは食品スーパーが長続きしないとされる。比較的低コストで売り上げが日販30~40万円でも採算が合うとされる「シティマーケット」だったが、今回の閉店はこのジンクスが生きていることを示すことになった。菅谷常務は、「適当な空き物件が見つかれば、今後もシティマーケットの出店を続ける」と話している。


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