透明感のある清楚な10階建てビルの下をループ運行を始めたばかりの札幌市電が通る――建設中だった札幌信用金庫の新本店ビルが、師走の札幌の街にお目見えした。このビルは2018年1月に誕生する3信金合併による1兆円信金の本店ビルにもなる。エポックな要素をいくつも盛り込みながら新ビルは来春オープンを待つ。IMG_0628IMG_0625(写真は、姿を見せた札信金の新本店ビル=2014年12月23日午前撮影)

 札幌市中央区南2条西3丁目の旧札幌信金本店ビルは、老朽化のため北側に隣接する同金庫所有のテナントビル(札幌パルコ新館・旧マルサ2)と一緒に13年6月ころから取り壊しが始まり、14年春から新ビル建設が始まっていた。
 ひと足先に姿を現したのはパルコ(本部・東京都渋谷区)の展開する札幌ゼロゲートの外観。地下2階、地上4階建てで、延床面積約2940㎡でパルコが所有しテナントにはファストファッションのフォーエバー21が出店する。
 
 そして市電のループ運行が始まった12月20日ころに足場が外されてニョキリと姿を現したのが札信金の新本店ビル。これまでは、建設中のフェンスが目隠し役になってビルの姿が見えなかったが、年の瀬の札幌の街に新年の息吹きを吹き込むようにお目見えした。
 
 地下2階、地上10階建て、延床面積約1万㎡のこのビルは、ご覧のように透明感のある清楚な外観。どこか女性的な印象だ。札幌ゼロゲートも含めて久米設計が設計監理、鹿島建設を代表とする岩田地崎建設、玉川組の共同企業体が施工を担当している。
 
 このビルには16年春から札信金の本店、本部が入り新たな歩みを始めるが、2年後の18年1月には札幌信金、北海信金(余市町)、小樽信金(小樽市)が合併して誕生するメガ信金の本店にもなる。ビルの最上階壁面には「札幌信用金庫」の名前が掲げられているものの、2年後には預金量1兆円オーバーに相応しい金庫名が刻印されることになるだろう。
 師走の札幌の街を駆け抜ける市電とともに姿を見せた札信金新本店ビルは、街の新しいシーンを創っていくことになる。


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