【2024年北海道でこれから開くスーパー】秋・冬編

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 2024年の北海道スーパーマーケット業界は、「イトーヨーカドー」や「西友」の北海道撤退、安売り「ロピア」の進出、「イオン」のGMS(総合スーパー)寡占など、まさに地殻変動序章の年になりそう。そんな中、2024年にこれから開くスーパーを整理してみよう。 今回は、秋・冬編。(写真は、「スーパーセンタートライアル」の店舗看板。秋・冬には、計2店舗の新設出店が予定されている)

 北海道は、9月に入ると一気に秋の気配が漂う。最近でこそ残暑が続くが、朝晩は虫の声がはっきりと聞こえてくる。そんな9月にオープン予定なのが、旭川市春光町の「イオン旭川春光ショッピングセンター」。イオン北海道(本社・札幌市白石区)が展開していた「イオン旭川春光店」を建て替えるもので、これまでの2階建てから平屋建てになり、以前のGMS(総合スーパー)然とした建物から、最新店舗に生まれ変わる。旧店舗は、1981年に建てられて市民に親しまれてきただけに、今回の新店舗もコンセプトを『ココロつながる、ちかくのトコロ。』とし、日常に便利な店舗機能だけではなく、地域の人たちの日々の暮らしを支え、さまざまな出会いや交流が生まれるような施設にするという。店舗面積は約1818坪(約6000㎡)。

 トライアルカンパニー(本社・福岡市東区)も9月、室蘭市本輪西1丁目に「スーパーセンタートライアル室蘭本輪西店」をオープンさせる。同社は、7月上旬に「スーパーセンタートライアル室蘭東店」(室蘭市東町1丁目)を居抜き出店する予定で、同じ年に室蘭2店舗体制をつくる。出店場所は、JRAの場外馬券場旧「ウインズ室蘭」があった場所などで、商業施設が集積している地区からは離れている。ただ、近くに旧新日鉄系の小型スーパー「ホームストア港北店」(港北町2丁目、ラルズ=本社・札幌市中央区が運営)があり、どのような競争になるのかが、注目される。

 10月になると、街中や郊外で木々が色づき始め、ひんやりした空気が辺りを包むようになる。この時期に、千歳市北信濃867-1の「千歳市北信濃複合商業施設」の一つとしてオープンするのが、「ダイイチ」。フランスベット北海道工場跡地約1万7335坪(約5万7206㎡)を利用したこの複合商業施設には、「サッポロドラッグストアー」、「DCM」、「ケーズデンキ」、「眼鏡市場」、「無印良品」なども同時期にオープンする。ダイイチ(本社・帯広市)は「恵み野店」(恵庭市)を展開しており、札幌の西区から千歳市まで8店舗が直線のように繋がる。

 札幌市南区藤野2条7丁目には、「業務スーパー藤野店」(仮称)がオープンする。石山通沿いの札幌中心部方面に向かう、車線沿いに立地する新設店舗で、運営するのは、「業務スーパー」を全国でFC(フランチャイズ)展開をしているG-7スーパーマート(本社・神戸市須磨区)。札幌市内の「業務スーパー」は現在、13店舗あるが、唯一店舗がなかったのが南区。今回の店舗で、札幌全10区に「業務スーパー」が出揃う。

 10月は、イオン北海道が札幌市内にある「西友」9店舗をM&Aして事業承継する。承継後、徐々に店舗改装を行い、イオン北海道のMD(販売政策)導入を進めていくことになる。イオン北海道は、2015年10月に、道内の「ダイエー」9店舗を承継しており、今回の奇しくも「9」店舗が踏襲された。「イトーヨーカドー屯田店」(札幌市北区、7月28日閉店予定)の後継テナントである「ロピア」の一部テナントは、8月29日にオープンするが、本体の「ロピア」の出店は秋とされており、この頃になりそう。

 冬がもう一歩という11月には、トライアルカンパニーが小樽市塩谷2丁目に「スーパーセンタートライアル塩谷店」をオープンさせる。国道5号の余市方面沿いで、緩やかな下り坂の左手にある敷地約8200坪(約2万7000㎡)を利用して、店舗面積約1272坪(約4200㎡)の店舗を新設する。同社は、2018年10月に「スーパーセンタートライアル小樽朝里店」(新光5丁目)をオープンさせており、今回の出店で、小樽市の東と西に店舗展開することになる。

 11月下旬には、北雄ラッキー(本社・札幌市手稲区)が、空知郡南幌町中央2丁目に「ラッキーマート南幌店」(仮称)をオープンさせる。「ツルハドラッグ南幌店」、「DCMニコット南幌店」の隣接地の町有地を賃借して、北雄ラッキーが店舗を設置するもので、店舗面積は約280坪(約924㎡)。同社は、長沼町や栗山町に店舗を展開しており、南幌町への出店で、この地域でのドミナント(集中)展開を図る。

 雪が降り始める12月頃には、コープさっぽろ(本部・札幌市西区)が、苫小牧市北栄町1丁目に「コープさっぽろ ぬまのはた店」をオープンさせる。店舗面積合計は約700坪(約2310㎡)で、営業している「フード365沼ノ端店」の向かい側に当たる場所。沼ノ端地区は工業集積が進み、人口が増加している。ラピダスの半導体工場稼働やソフトバンクのデータセンターの稼働で、さらに人口が増えると見込まれることから、出店を決めたという。コープさっぽろの苫小牧市内の店舗数は、「ぬまのはた店」で6店舗となる。

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