札幌証券取引所は2023年12月25日、三州瓦や高機能板金屋根材の製造・販売を行っている新東(本社・愛知県高浜市)の本則市場への上場を承認した。2024年1月16日に正式に上場する。札証の本則市場は、52社になる。愛知県に本社を置く企業が、札証に上場するのは珍しい。(写真は、札証上場について説明する新東・石川達也社長=左)

 新東は、東京証券取引所スタンダード市場に既に上場しており、札証本則市場への上場によって、北海道での知名度を高めて営業活動に繋げるほか、現在わずかしかない道内の株主比率を高めたい意向。同社は、陶器瓦と高機能板金屋根材を扱っており、構成比率は陶器瓦80%、高機能板金屋根材20%。2023年6月期の売上高は50億4200万円、営業利益は1800万円、純利益は2400万円。陶器瓦で新築戸建て市場を中心に全国で営業展開をしており、大手ハウスメーカーや住宅資材商社向けに販売してきた。

 しかし、新築市場の成長が鈍化してきたため、10年ほど前から板金屋根材の取り扱いを始め、「石付き屋根材」(天然石と鋼板のハイブリッド屋根材)をメイン商材として販売を進めてきた。この石付き板金は、ニュージーランドの企業が、日本拠点を設けて販売していたが、同社が日本から撤退するにあたり、新東が事業承継して国内展開を進めてきた。

 石付き板金は、本州ではリフォーム市場がメインだが、北海道では屋根材に板金を使うケースが多く、新築市場が見込めるとして同社は、7年ほど前に札幌市白石区に石付き板金の配送拠点を設けていた。既に道内の住宅展示場では、この石付き板金を使用した勾配屋根が採用されており、市場性は高いと判断、北海道の新築市場を強化する一環として札証に上場することにした。札証上場を機にクワザワ(本社・札幌市白石区)やキムラ(同・同市東区)といった住宅資材商社などに積極販売していく。

 この日、札証で会見した新東の石川達也社長(52)は、「本社が愛知県にあるため、北海道での知名度が低い。今回の札証上場で知名度を上げて営業活動に繋げるとともに北海道経済に貢献したい。営業拠点を設けることも検討している」と話した。


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