札幌・狸小路1000番地「ひょうたん横丁」が更地に、昭和の名残りが消える

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 札幌市中央区南3条西10丁目1000番地にあった「ひょうたん横丁」が、2024年3月31日に70年間の営業を終えてから1ヵ月、建物は解体されて更地になった。時間に取り残されたような空間だったこの一角も、急ピッチで時代に追いつく空間になりそうだ。
(写真は、営業していた頃の「ひょうたん横丁」=上と解体工事中の「ひょうたん横丁」)

「ひょうたん横丁」は、「くっちゃん」、「花よし」、「ユキバル」、「鳥十」といった店名の居酒屋、スナックなど6、7店が軒を連ねる長屋の飲食街だった。店舗の入れ替わりはあっても70年間にわたって営業を続け、札幌に残る昭和の飲み屋横丁として親しまれてきた。この「ひょうたん横丁」を含む1000番地1は、広さが約810坪(2676・16㎡)あって、横丁以外は、時間貸し駐車場として利用されてきた。

 周辺を含めた一体的な開発は、時間の問題とされていたが、3月末の閉店から時間をおかずに、平屋建ての年輪を感じさせる建物が取り壊され、1ヵ月も絶たずに更地になった。土地所有者は、複数の個人から2022年には、長谷工コーポレーション(本社・東京都港区)に移っている。狸小路商店街の外れにあたる10丁目界隈には、取り壊された「ひょうたん横丁」以外にも、昭和の風情が残る飲食店が点在している。「ひょうたん横丁」を含む敷地は、ひと足早く平成を飛び越えて、令和の街並みに生まれ変わりそうだ。

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