2023年11月30日(木)にオープンする、札幌市厚別区の商業施設「BiVi新さっぽろ」1階に入る「コープさっぽろ」に対抗して、既存の地域密着スーパー「ホクノー新札幌店」が、同年11月24日にリニューアルオープンした。両店は、隣同士となり競合は必至。ホクノーは地域の愛されスーパーとしてひと足先に顧客固めを行う。(写真は、2024年11月24日にリニューアルした「ホクノー新札幌店」)

 JR新札幌駅、地下鉄新さっぽろ駅周辺の新さっぽろ地区に新たに誕生する「BiVi新さっぽろ」の核テナントになるのが「コープさっぽろ」。これまで、スーパーマーケットでは「イオン新さっぽろ店」、「卸売スーパー新さっぽろ店」、「ホクノー新札幌店」が展開しており、「コープさっぽろ」の参入で均衡が崩れるのは避けられない。とりわけ、店舗が隣同士になる「ホクノー」と「コープさっぽろ」の間では、激しいバトルが展開される見込み。

 こうした状況を見越してホクノー(本社・札幌市厚別区)は、「新札幌店」の大幅リニューアルを行った。1997年に竣工した「ホクノー新札幌ビル」の1階にオープンした同店は、今回の新さっぽろ地区の再開発が進む前から、団地住民の台所代わりに利用されていた。再開発が進み、タワーマンションや病院、ホテルが整備され、新しい住民の利用も増えている。こうした流れを受け、「コープさっぽろ」オープン前にリニューアルを行い、顧客を繋ぎとめておこうという戦略だ。

 冷凍・冷蔵ケースの全面更新や冷凍食品の充実、生鮮や惣菜の強化が柱のリニューアルで、休業期間は約1ヵ月に及んだ。11月24日のリニューアルオープン当日は、100人以上が並び入場制限をするほど賑わった。以前から多かった高齢者の買い物客が、待ち望んだように買い物を楽しむ姿も見られた。

「ホクノー新札幌店」の売り場面積は約210坪、「コープさっぽろ」は約350坪で、いずれもスーパーマーケットとしては小型店のジャンルに入る。この小型店対決に向けて、ホクノーの野地秀一社長は、リニューアルオープンのチラシにこうコメントしている。《誰よりもこの厚別を愛し、地域の発展やそこに住むお客さまの健康寿命延伸を願い、リーズナブルで健康・安心・安全な食材を供給していきます》。地域の愛されスーパーとして、日常生活を応援する姿勢を強調、差別化していく考えだ。


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