アークス(本社・札幌市中央区)は、2021年2月期第1四半期(20年3月1日~5月31日)の主要子会社業績を開示した。新型コロナウイルスの影響で内食傾向が高まり食品需要が伸びたほか、チラシ自粛や特売中止で販管費も縮小、ラルズ(同・同)、ユニバース(同・青森県八戸市)、ベルジョイス(同・岩手県盛岡市)の主要3社の売上高、利益は前年同期間比で大幅に伸びた。(写真は、道北アークスの「スーパーアークスパルプタウン」)

 売上高は、ラルズが前年同期間比113・3%の358億300万円、ユニバースが同107・1%の331億800万円、ベルジョイスが同107・7%の214億円となった。営業利益は、ラルズが同174・5%の21億8300万円、ユニバースが同142・4%の16億9400万円、ベルジョイスが同305・4%の5億2900万円だった。

 食品スーパーの実力を示す指標の一つである売上高営業利益率を見ると、ラルズは6・1%(前年同期間比2・1ポイント増)、ユニバースは5・1%(同1・3ポイント増)、ベルジョイスは2・5%(同1・6ポイント増)といずれも高い比率を弾き出した。純利益は、ラルズが172・0%の15億4600万円、ユニバースが同145・3%の12億1300万円、ベルジョイスが同288・9%の3億8500万円になった。

 道内のラルズ以外の子会社を見ると、売上高は東光ストア(本社・札幌市豊平区)が同109・1%の118億3400万円、道北アークス(同・旭川市)が同106・5%の111億8300万円、福原(同・帯広市)が同106・8%の109億1000万円になった。経常利益は、福原が同367・0%の5億9800万円、東光ストアが同236・8%3億7000万円、道北アークスは18年1億円、19年8500万円と1四半期の経常赤字が続いたが、今期は2億7800万円の黒字と大幅に利益改善した。
 第1四半期は、空前の好決算となったが、この状況がいつまで続くかは不透明。特定給付金の支給が行き渡って個人消費の戻りは大きいが持続力はなく、夏以降は所得減傾向が北海道は顕著になるという予測もある。食品スーパー各社は価格競争に備える準備に入っている。


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