新さっぽろ地区に新しい商業施設「BiVi新さっぽろ」が、2023年11月30日(木)にオープンする。昭和の時代に整備された、新さっぽろ地区に初めて生まれる令和の商業施設。人の流れを変え、新たな街のリード役になることが期待される。
(写真は、「BiVi新さっぽろの2階にある「BiVi PARK」)

 新さっぽろ地区は、1977年に整備された「サンピアザ」を中心に「デュオ」などが集積し、昭和、平成へと街の賑わいをつくってきた。札幌副都心と呼ばれ、人口も増えていったが、平成後期からかつての輝きは失われていった。築50年のJR新札幌駅は、副都心の玄関口としては心もとない。日常のショッピングや飲食を楽しむ「館」として、かつての商業施設の役割は今も大きいが、日常を見つめ直すような、非日常の役割を持つ商業施設を街の中で探すのは難しかった。

 今回オープンする「BiVi新さっぽろ」は、こうした新さっぽろ地区に非日常の風を吹き込む商業施設になりそう。注目を集めるのは、2階から3階の吹き抜け空間につくられた「BiVi PARK」。2階の中央に一段下がった広場のような空間が構える。天井には16m四方の巨大LEDビジョンが設置され、時刻に応じた空の様子が映される。

「天井にこれほど大きなLEDビジョンがあるのは、全国でも珍しい。天井に設置するため、耐震性を高めてLEDの間隔を広く取るなど、特別仕様になっています」と津田周作BiVi新さっぽろ支配人。広場を取り囲むように横丁風の飲食店が軒を連ね、「BiVi PARK」と一体になった開放感は秀逸そのもの。聞けば、飲食ゾーンは街制作室のプロデュースによるものという。

(写真は、2階の飲食店街)

 1階にはコープさっぽろやサンドラッグ、3階にはロフトやキャンドゥ、4階には万代などが入るが、商業施設としては抑制的。むしろ、緑やアート、エモーションに重きを置いた、令和の時代を象徴する商業施設という印象。

 運営する大和リースは、オープンにあたり、2021年に新札幌キャンパスを開設した札幌学院大学と連携協定を締結した。同社の稲垣仁志北海道支店長は「学生が活躍し成長できる場にしたい。そうした関わりを先輩が後輩に引き継いでいけるような『館』でありたい」と述べた。「館」の規模は、「サンピアザ」「デュオ」よりもこじんまりとしているが、新さっぽろ地区に刺激を与え、昭和、平成、令和の時代と世代を繋ぐ架け橋になりそうだ。
(写真は、1階の「コープさっぽろ」)


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