またも外資のリゾート参入だ。北海道夕張市のマウントレースイスキー場と3ホテルが、2月初旬に所有者の夕張市から中国資本の元大グループ(東京都墨田区)に売却された。これで道内の代表的なリゾートである「トマム」、「キロロ」それに「ニセコ」の多くの施設群に続き「夕張」も外資所有になる。IMG_6977(写真は、夕張駅と直結しているホテルマウントレースイ)

 夕張市のリゾートは、当初3セクで運営されていたが、1980年代後半に松下興産(大阪市)が買い取って施設を充実させた。スキーブームに乗って多くの客を集めたが、その後松下興産の業績が悪化(後に特別清算)、2002年に市に施設を売却して撤退。当時の中田鉄治市長が進めた「炭鉱から観光」が頓挫する契機にもなった。

 07年に夕張市が財政破綻すると施設は、指定管理者制度を導入、「ルスツリゾート」で実績がある加森観光(札幌市)が運営することに。10年を節目として今年3月末に加森観光は指定管理者から撤退することになり、市は売却先を公募。1回目は応札がなく、2回目で元大グループが2億3600万円で落札した。

 仮に応札者がいなければ、4月以降の運営が事実上できなくなる。市は薄氷を踏む思いだったろう。元大グループは、指定管理者として実績のある加森観光の現地子会社を買収することになっており、運営面で支障は出ないもようだ。

 夕張のリゾートを中国系資本が取得したことで、道内の主なリゾートは、「ルスツ」や「富良野」を除けば殆ど外資の所有になる。「ニセコ」もホテルやコンドミニアム建設でリードしているのは外資だ。
 かつて道内は西武と東急がリゾート開発で覇を競ってきた。バブル期には、アルファコーポレーションの「トマム」、ヤマハの「キロロ」など国内資本の開発ラッシュがあった。あれから20年、中国を主とした外資の台頭を誰が予想しただろう。

 観光業界では、所有と運営の分離は今や常識だから驚くことはないのかもしれない。インバウンド(訪日外国人観光客)全盛の時代でもあり外国資本の所有は理に適っているのだろう。しかし、リゾートは旅行者のためだけにあるのではない。地域の一員であり地域との共生をどう図るかの視点が欠かせない。バブルの教訓を生かすことはできるだろうか。


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