札幌の名所と言えば、国指定の重要文化財、札幌市時計台が挙げられるが、その名所が「絵(画)に描いた時計台」になっている。というのも、現在、外壁修理中でシートに覆われているため。シートの表には丹念に描かれた時計台が実物大の大きさで鎮座している。それはそれで貴重なシーンとも言える。20180717_130556(写真は、屋根まで覆われたシートに描かれた実物大の札幌市時計台)

 時計台の外壁改修工事は6月1日から始まった。20年前に大改修を実施したが、雨露に雪という北海道の厳しい自然は木造建屋を容赦なく浸食。「あまりにみすぼらしい」(札幌市市民文化局文化部文化財課)ということで、今回は外壁と屋根を約5500万円かけて補修することにした。

 補修期間は10月31日まで。時計台は屋根の高さまでシートに覆われ、周りは背の高さほどのフェンスに囲まれており中に入ることができない。5ヵ月間はこの味気ない工事風景が続くが、改修を知らずに訪れた観光客のがっかり度を少しでも補おうと市が考えたのが時計台の絵。

 色使いや細部の模様などその様子はかなり精緻。ビルの谷間に吹く風に、時折り時計台が揺らめくのも夏の涼感を誘うのに役立っているようだ。シートの内側では補修工事が着々と進む。工事を担当するのは、道内の文化遺産の改修工事を数多く手掛けている高橋組(本社・函館市)。

 絵に描いた時計台とその裏で繰り広げられている職人技の修復工事ーー見ておきたい光景かもしれぬ。