今年6月に船出した大内・道経連が来春の知事選に向けて本格的に始動した。16日午後、道商工会議所連合会や道経済同友会の道内経済3団体のトップが揃い、経済界の総意として髙橋はるみ知事に知事選出馬を要請した。大内全会長は「北海道経済の成長自立に向け経済界とともに歩んで欲しい」と述べ、髙橋知事は、「重く受け止め早急に考え方を整理したい」と答えた。出馬要請は口頭で行われた。(道内経済3団体の出馬要請には多くのメディアが詰めかけた=手前が髙橋知事。後方の中央が大内道経連会長)IMG_1888
 
 この日、要請場所になった札幌グランドホテルに集まったのは、道経連大内会長、一般社団法人道商連高向巖会頭、道同友会の田原米起副代表幹事(つうけん会長)。道同友会の横内龍三代表幹事は道公安委員長のため政治活動はできず副代表幹事が出席した。
 
 3団体を代表して要請したのは、大内会長。小樽市内での公務を終えて駆け付けた髙橋知事に向かい、「経済界と連携の下で知事は、食の輸出拡大に向けた海外戦略や産学官連携による食の国際拠点づくりにも鋭意取り組まれ、成果は徐々に現れてきている。北海道の国際化についても海外航空路線の誘致を実現させるなど外国人観光客の入り込み増に大きな成果を上げられた。私どもは、髙橋知事の3期12年の実績を高く評価している。将来に向かってもこの流れを絶やすことなく、現在取り組まれている事業の維持、さらなる強化を図っていただき北海道経済の成長自立に向け経済界とともに歩んでいただきたいと思っている」と来春の知事選に向けて出馬を要請した。
 
 これを受けて髙橋知事は、「2003年に知事に就任して11年強の期間、北海道に優位性のある地域資源、食と観光の振興に向け経済界、道民が心を一つにしていろいろなことをやってきました。また、ものづくり産業の拡充強化、新千歳空港の活性化にも鋭意努力しているところですが、これからも前に向けて、しっかりと前へ、前へと進めて行かなければ課題がたくさんあります。一方で、全国を上回るスピードで人口減少、小子化が進んでおり私は行政上の難しい課題と言うよりも、北海道にとって危機的状況であるという認識すら持っています。この危機に対して経済界、一次産業機関、多くの道民と力を合わせて、しっかり取り組んでいかなければならない。4選に向けての出馬のご要請と思いを私自身重く受け止めさせていただき様々な行政上の課題に私自身が何ができるか、考え方の整理を早急にしたい」と応えて前向きな姿勢を示した。
IMG_1900 (ぶら下がり取材に応じる髙橋知事=写真) 
 経済団体による知事への要請後、髙橋知事は集まった記者らに対し、「衆院選で候補者の全道応援に行ったが、地域の課題を改めて認識した。今回の衆院選(の結果)も来年4月に向けての考え方の整理の大きな要素になった。道議会も今日からスタートしたので、出来るだけ早く私自身の考え方の整理をしていきたい」と語った。
 
 また、大内会長は「4選は長いと言う意見があることも承知しているが、アベノミクスの第3の矢である実体経済の活性化には経験豊かな知事にもう1期やってもらうしかない。4選目になるが、経済界の総意としては高橋知事でなければできないと今回、出馬に向けた後押しをした。知事が我々の要請を真摯に受け止めてそう遠くない時期に回答していただけると期待している」と述べた。
IMG_1905 (経済界として知事選に初采配を振るうことになった大内氏=写真) 
 これまで髙橋知事の一~三選の知事選で経済界をリードしてきたのは故・坂本眞一道同友会代表幹事や近藤龍夫道経連前会長、それに高向道商連会頭だった。今回、四選に向けた経済界のリード役になるのは大内会長率いる道経連。これまで政治とは無縁だった大内氏の政治力も試される知事選となりそうだ。



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