アークスは30日、網走市内に3店舗を展開する地場食品スーパーの篠原商店の全株式を取得して子会社化すると発表した。篠原商店は年商50億円でアークス傘下に入ることで商品調達力や価格競争力を強め、アークスグループとしてこれまで空白地帯だった網走の地盤を固める。アークスの横山清社長が篠原商店の代表権のある会長に就任する予定。(写真は会見する横山清社長=左と篠原肇社長)
 
 篠原商店は、1953年の設立で資本金は1000万円。3代目の篠原肇社長(59)は、2年前から道東ラルズの渡邊友則社長と接触、食品卸会社の札幌集約に伴う商品調達の困難さなどについて問題意識を共有し営業基盤強化のためにはアークス傘下に入ることが不可欠と判断した。
 
 9月30日に基本合意書を交わし、11月1日に株式譲渡を行いアークスが5000株を全株取得する。取得価格は非公表。
 
 横山社長は、「地域で無駄な競争をするよりも経営資源を集中するほうが得策。篠原商店は店舗運営技術も優れており一貫して方向性がぶれていない。遠くから私は高く評価していた」と語った。
 
 篠原社長は、「地域のライフラインを守る食品スーパーとして商品の鮮度や低価格を追求してきたが、アークスと目標は一致している。今後商品品調達力がさらに強まって効率性も高まるため低価格でお客様に還元できる」と話した。
 
 また、篠原商店は商品の共同仕入れ会社である北海道CGCに近く加盟する見通し。
 アークスは10月21日に北東北のユニバースを100%子会社にするが、今後道内では50~100億円クラスの中小規模の食品スーパーをグループに迎えて入れる考え。

 篠原社長は、1952年生まれで3代目。札幌短大を卒業後、会社務めを経て篠原商店入り。92年に実父の死去に伴い社長に就任した。食品スーパーの「フードマスターBASIC」2店舗と酒類ディスカウント1店舗を展開。従業員は234人(正社員37人、パート・アルバイト197人)。2011年3月期の純資産は6億3200万円で総資産は17億2600万円。売上高50億9400万円、経常利益1億3400万円。


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