北海道のキリングループの中で清涼飲料水を扱っている北海道キリンビバレッジ(本社・札幌市中央区)は、2017年事業方針を23日に発表した。16年は、『生茶』のリニューアルが大成功、道内清涼飲料水市場で伸び率ナンバーワンを確保して同社の業績を牽引した。17年はカフェインゼロの『生茶デカフェ』を投入するなどして道内市場のマイナス成長が予想される中、16年並みを確保する。IMG_1604 (2)(写真は、事業方針を発表する北海道キリンビバレッジ明月岳人社長=2017年1月23日午後、キリンビール北海道千歳工場ゲストホールで)

 16年の道内清涼飲料水市場は、15年比でプラス1%増となったが、北海道キリンビバレッジは、『午後の紅茶』が同10%増、『生茶』が同54%増、缶コーヒーの『ファイア』がプラスマイナスゼロ%でトータル5%増になった。15年の単体売上高は約165億円だったため173億円を超えた模様。

 同社の明月岳人社長は、「生茶が、当社の清涼飲料水全体を牽引した。午後の紅茶シリーズでは、食連動活動を強化してジンギスカンにもっとも合う飲料、ジンギスティーとして『おいしい無糖』が伸びたことや、菓子メーカーのもりもとが新発売したチェリージュエリーと一番相性の良い飲料として『レモンティー』を選定していただき、全店で店頭訴求した効果もあった」と説明した。

 17年は、全国の清涼飲料水市場がマイナス1%からゼロ%の厳しい情勢になる見通しで北海道も同様とみられるが、北海道キリンビバレッジは16年並みの販売数量を確保する計画を立てている。

 具体的には、生茶は微粉砕茶葉をより丁寧に仕上げて旨味をアップさせ、よりコクのある味わいに進化させるほか、人気のグリーンボトルを従来の525mlペットに加え3月7日から430mlペット、300mlペットにも展開していく。さらに5月23日からペットボトル緑茶で唯一のカフェインゼロの『生茶デカフェ』(430ml)を新登場させるなどして16年比10%増を目指す。

 午後の紅茶シリーズは、おしいしい無糖を4月4日にリニューアルするほか、引き続きジンギスカンとおいしい無糖のコラボでジンギスティーの浸透を図り、同1%増を達成する。ファイアは、新商品2種と北海道産素材を使ってミルク感がしっかりした贅沢な北海道限定ミルクテイストを3月14日に発売する。

 さらに先駆的で本物志向の健康への取り組み第一弾として『キリンサプリレモン』を2月14日から発売する。これは機能性表示食品で、ストレス軽減の効果が期待されているという。今後もサプリシリーズとして順次ラインアップしていく考えだ。

 スーパーなどの店頭では利益率の低い大容量ペット容器が増えているが、同社は「利益商材のパーソナル容器(300~525ml)の比率を16年比2%増とする」(明月社長)として利益率を改善していく考え。
※2017年1月26日記事一部修正



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