キリングループは27日、札幌市中央区の札幌プリンスホテル国際館パミールで2016年北海道地区の事業方針を発表した。ビール類は前年比0・1%増と2年連続のプラス成長を目指し、清涼飲料水は同3%増、ワイン類も同4%増を見込む。ワイン以外の市場が国内全体でマイナス成長とされる中、キリングループは北海道地区ですべての分野でプラス成長を目指す。P1080831P1080836(写真は、事業方針発表の後でフォトセッションに臨むキリングループ北海道地区のトップ4人。左から名川誠氏(キリンビール執行役員北海道千歳工場長)、濱本伸一郎氏、森口敏也氏、後藤晃氏と3月22日から投入する起死回生を狙う生茶)

 ビール類を扱うキリンビールマーケティング北海道統括本部は、15年に「一番搾り」ブランドを強化する戦略を実行、「名水百選仕込み北海道産」や「北海道づくり」をシリーズ化するとともに一番搾りの生ビール取扱い料飲店の開拓を強化、新規取扱い店数を前年比倍増させるなどした。
 その結果、発泡酒と新ジャンルは14年比で1%減少したものの一番搾りは同6%増と2年連続前年超えしてビール類全体を牽引、14年比0・1%増と9年ぶりに水面上に顔を出す売上げになった。
 
 16年は、さらに一番搾りのブランド強化に力を入れ、地域密着度を高める。5月10日には一番搾り北海道づくりの中瓶(500ml)も発売、地域住民とのワークショップも実施してコト消費に結びつける。一番搾りブランドの強化と地域の素晴らしさを再発見するマーチャンダイジングを「掛け算のように実行していく」(キリンビールマーケティング執行役員濱本伸一郎北海道統括本部長)ことで、ビール類の国内市場全体は2%程度のマイナス成長見込みの中、キリンマーケティング北海道は15年と同じ0・1%のプラス成長を2年連続で計画する。
 
 北海道キリンビバレッジが扱っている清涼飲料水は、「午後の紅茶」と強炭酸の新「メッツ」がリード役となって15年は前年比7%と市場の伸び率1%弱を大きく上回った。飲食店で「おいしい無糖」のカクテルを提案、「午後ティーハイ」として浸透するなど取扱い店舗数は1000店を突破、また新「メッツ」は大人層にも受け入れられて前年比178%の大幅増を記録した。
 
 16年は、「午後の紅茶」が食事と相性が良いことを全道でさらに周知拡大させるとともに「午後ティーハイ」の取り扱い店舗を1800店に増やす。さらに3月22日から持ち歩きたくなるボトルとしてパッケージを一新、茶葉をさらに細かく粉砕した「生茶」を投入するなどして清涼飲料水合計で3%増を目指す。とりわけ「午後の紅茶と生茶で2ケタ伸ばしていく」(北海道キリンビバレッジ後藤晃社長)と意気込む。
  
 メルシャンの15年の北海道エリアは、同社の全国ワイン合計が14年並みに落ち着いたことに対し、北海道は4%増と「北海道エリアが全国を牽引した」(メルシャン森口敏也北日本支社長)。シャトー・メルシャンが同13%増、無添加大型容器は同20%増、お手頃価格のチリ3兄弟(ラディラ・ヴェルディ、プードゥ、フロンテラ)は同60%の大幅増だった。
 
 16年は、伸びが著しい中高価格帯を強化、週末のプチ贅沢なワインとして「カッシェロ・デル・ディアブロ」をメルシャンとしては珍しい投資育成を行うなどしてライトユーザーの市場を広げていく。ワイン合計で15年と同様の4%増を目標にする。森口支社長は、「ワイン業界のリーダーとしてワイン市場を元気にしていく」と話した。
 

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