食品スーパーのダイイチ(本社・帯広市)が好調な経営を続けている。前9月決算は、前々期比4・7%増の383億2600万円、営業利益は同15・6%増の13億3000万円になった。札幌圏の売上高も100億円を突破、十勝、旭川、札幌の三元体制が整ってきた。同社の鈴木達雄社長(69)に今後の戦略とイトーヨーカ堂との提携深掘りなどについてインタビューした。IMG_0575(写真は、鈴木達雄社長)

 ――前期(2016年9月期)決算は、増収増益でした。売上高営業利益率も3・1%と食品スーパーとしては高い。前期決算をどう判断していますか。

 鈴木 毎年20~30人の定期採用を始めてから20年近くが経ち、社内では30歳代前後から36~37歳くらいの年代がチーフクラス、マネジャークラスになってきた。若くてスピードもあるし機転も利く。そういう人たちが当社のプロトタイプ(原型)の店にフィットして運営がうまく回転するようになった。
 また、当社規模のマーチャンダイジングではなかなかコストカットができなかったが、イトーヨーカ堂と2013年7月に資本業務提携、共同仕入れなどで原価低減ができるようになった。PB(プライベートブランド)もセブン&アイ・ホールディングスのPB導入で一定の競争力が発揮できるようになった。さらに2ヵ月に一度、パート従業員も含めた勉強会を30年間くらい継続してきたことなどがここにきて相乗効果を発揮、業績に反映するようになった。前期はその結果が表れたと判断している。

 ――今後もこの経営状況が持続すると。
 
 鈴木 出店戦略さえ間違わなければしばらく続くだろう。ただ、新規の出店はかなり厳しいと見ている。イトーヨーカドー(以下、ヨーカドー)道内11店舗の食品部門と当社の売上高を合計すると年商750億円くらいだ。私はこれを1000億円まで引き上げないと競争力を保ちながら生き残っていくのは難しいと考えている。だから、150~200億円規模の食品スーパーを経営統合したいと考えている。このことは経営方針として公にもしていることだ。

 ――グループ年商が1000億円を超えることによってどんなことができるのですか。
 
 鈴木 1000億円規模になれば北海道エリアのマーチャンダイジングができるようになる。今、ヨーカドーのマーチャンダイジングは東京と北海道で半々くらい。1000億円になればヨーカドーも北海道独自のマーチャンダイジングができるようになる。当社にとってもコスト負担が大きい腰高経営を改善できる。今後はパート従業員の給与や社会保険料のアップは避けられないしコンプライアンスももっと厳しくなって腰高経営になることが避けられない。
腰を低くするにはマーチャンダイジングを見直すことが必要で、年商500~600億円の規模では期待した結果にはならないからだ。最低でも1000億円規模が必要と私は考えている。
 
 ――M&Aと言っても道内ではなかなか難しいのではないですか。
 
 鈴木 道内の食品スーパーは寡占化が進み、難しいかもしれない。しかし、独立系の食品スーパーも数社はある。それらのスーパーが将来に向けて生き残っていくためにはいずれかの流通グループに入ることが鍵を握るのではないか。私たちが教えられてきたのは『忘己利他』(己を忘れて他を利すること)の精神。その精神が企業風土にしっかり根付いているところであれば通じ合えるだろう。
 

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