税の軽減が受けられる「ふるさと納税」の期限が12月31日に迫る中で、今年も根室市の健闘が目立っている。11月30日現在の速報値で根室市のふるさと納税額は約57億6000万円に達しており、19年の約65億8900万円を超えそうな勢い。(写真は、根室市役所)

 19年のふるさと納税の全国ベスト5を見ると①大阪府泉佐野市184億9600万円②宮崎県都城市106億4500万円③北海道紋別市77億3700万円④北海道白糠町67億3300万円⑤北海道根室市65億8900万円となっており、北海道の道東地域の自治体が3つも占めている。

 根室市の場合、ふるさと納税が始まった15年に約12億9000万円だった受け入れ額は、5年後の19年は5倍の65億8900万円に。5年間の累計は、件数で119万2000件、金額では201億1700万円。返礼品は根室産のウニやホタテ、花咲ガニ、イクラなど。

 市では5年間で返礼品経費を含め約141億円を活用、幼保連携型の認定こども園や介護福祉施設の整備支援、地域医療体制の維持、医療・介護従事者や幼稚園教諭等の確保対策のほか、ホタテの種苗放流など漁業資源の増大に向けて支出してきた。また、漁業資源増大対策基金、地域医療安定化基金、地方創生関連基金など13の目的別基金に積み立てを行っている。

 市の一般会計規模は約170億円で、そのうち市税収入は約30億円。ふるさと納税の規模はその倍となっており、今や市の大きな財源となっている。例年2月には、東京新宿の京王プラザホテルで2500人規模の「根室市ふるさと納税大感謝祭」を開催しているが、21年2月はコロナ禍で中止が決定している。
 根室市のふるさと納税利用者は、リピーターが多く年間40万人規模。納税と共に添え書きがしてあるそうで、「行ってみたい」、「北方領土返還、頑張ってください」などの言葉が綴られているそうだ。



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