札幌市内で地域密着型スーパー「北海市場」5店舗を展開するモリワキ(本社・札幌市西区)の2025年12月期決算は、売上高62億万円で過去最高だった。営業利益、純利益は非公表だが、こちらも過去最高になった。生鮮を中心とした差別化路線が買い物客に浸透、客数、客単価が伸びた。値上げラッシュで買い控えが続いている2026年12月期も、過去最高の売り上げを目指している。
(写真は、デパート並みの品揃えで「北海市場」のブランディング店舗になっている「山鼻店」)
2025年度のスーパー各社の決算は、食品値上げによる売り上げ増があったものの、人件費、物件費など販管費も上昇、増収増益と増収減益のスーパーに2極化した。モリワキは、増収増益を達成したが、牽引役になったのが「山鼻店」(札幌市中央区)と「屯田店」(同市北区)。「山鼻店」は、所得が比較的高い層が多い山鼻地区にあるため、徹底したブランディング戦略を実行。以前からデパ地下とスーパーの中間の品揃えを行っているが、デパ地下に寄せたMD(マーチャンダイジング=販売政策)を採用。「スーパーのブルーオーシャン(未開拓な新しい市場)をつくろう、を合言葉にお客さまが楽しくなる売り場を従業員一丸で取り組んだ」(今野一彦副社長)。
惣菜関係を取り扱っていないにも関わらず、肉・魚・青果の生鮮食品が圧倒的な強みを発揮し、同店の売り上げは、2024年度と比較して10%以上の伸びを確保。売り場面積230坪の店舗としては、業界の常識を超えた売り上げを達成した。「引っ越しシーズンで道外から移り住んできた人たちがファンになってくれるので、この時期はアプリ会員が増える」(今野氏)。
「山鼻店」が都心型差別化モデルなら、大型ホームセンター「ジョイフルエーケー屯田店」内にある「屯田店」は、郊外型差別化モデルだ。「イトーヨーカドー屯田店」が営業していた頃から生鮮の差別化に取り組み、「ロピア屯田店」に切り替わってからは、さらに差別化を意識した品揃えを強めた。「ロピアがオープンして1年半、売り上げは一度も落ちていない」(今野氏)と棲み分けができていることを強調する。
同店では、冬場の鍋つゆを300種類以上集めて話題になったが、バーベキュー需要が盛り上がる夏場に向けて焼肉のタレも180種類以上を揃え、「ほぼ日本一」のPOPとともに売り場の華づくりにも取り組んでいる。
2店舗を牽引役に成長している同社だが、競争力の源泉となっているのが、肉、魚、青果の生鮮3分野だ。生鮮比率は惣菜がなくても64%にもなっており、一般的なスーパーの倍近い比率になっている。個性、差別化、独自性によって価値を極めることを従業員に徹底してきたことによって、従業員一人ひとりのスキルも上昇、現場へのこだわりが各店に浸透してきた。
モリワキは、今年12月に創業60周年を迎えるにあたって、「新たな時代を創る」を年間テーマにした。物価高、人件費増、包装資材高でスーパーを取り巻く経営環境は真冬の時代に入っている。大手チェーンがひしめく札幌のスーパー業界で、モリワキモデルは一石を投じそうだ。
※2026年5月5日記事一部修正しました。



































