札幌市発注の工事について最低制限入札率の情報を漏洩するなどして加重収賄、偽計入札妨害、競争入札妨害の罪に問われていた同市契約管理課元係長、小泉健治被告(50)の判決公判が8日、札幌地裁804号法廷で行われた。午前10時に開廷したものの、被告弁護人の到着が遅れ予定より10分ほど後ずれして開廷。園原敏彦裁判長は、懲役3年、執行猶予4年、追徴金166万円(検察側求刑は懲役3年、追徴金166万円)を言い渡した。(写真は札幌地裁がある裁判所ビル)
 
 園原裁判長は、小泉被告を証言台に立つように促し判決を言い渡した。判決を言い渡した後に裁判長は小泉被告を被告人席に座るように指示、判決理由の要旨を書いた1枚の紙を係員が小泉被告に渡してから裁判長による判決理由の朗読が始まった。
 
 小泉被告は、市発注工事を受注した会社に対して知人の土木工事資材会社社長(52)が扱う資材を購入するように指示し謝礼として116万円を受け取ったほか、昨年10~11月には市発注工事3件の最低制限入札率を資材会社社長を通じて岩田地崎建設元第一営業部長(51)、土木工事会社専務(48)に漏洩、JCBギフト券20万円分などの賄賂を受け取っていた。
 
 園原裁判長は、「被告は非公開の最低制限入札率を漏らして最低制限価格を割り込むことなく低い価格で落札させた。入札の公正を害して賄賂を受け取り公務の信頼性を損なったのは明白。遊ぶ金欲しさに便宜を図り、情報漏洩を繰り返し、公務や入札の公正さへの認識の低さは強く非難される」とした。
 
 しかし、「被告はすべて罪を認めて反省し、前科もないため懲役3年、執行猶予が相当と判断した」と述べた。
 
 園原裁判長は、「4年間のうちにさらに罪を犯すとその刑に3年間が加算されます。そういうことがないように注意して過ごしてください」と執行猶予の説明を付け加えていた。


この記事は参考になりましたか?