札幌市発注工事を巡り最低制限率を漏らした元係長小泉健治被告(50)が初公判で「つい乗ってしまった」と証言

社会・文化

 札幌市発注の工事を巡って発注価格の最低制限率を業者などに教えて金品を受け取ったとして競争入札妨害、加重収賄などで逮捕された市契約管理課の元係長小泉健治被告(50、懲戒免職)の初公判が3日、札幌地裁805号法廷で開かれた。「無口で内向的で友人の少ない」(弁護人)小泉被告が賄賂を受け取るようになった経緯などが明らかにされた。(写真は札幌地裁の入っている裁判所)
 
 検察の起訴状によると、小泉被告は2009年2月から昨年12月までの間に、工事入札前に資材会社社長で贈賄などの罪で公判中の浅利晃一被告(52)ら3人に工事価格の最低制限率を教え、その見返りに現金146万円と商品券20万円分を受け取って、出会い系サイトなどを利用した遊びに使ったとしている。
 
 小泉被告は、検察の公訴事実に対して「間違いありません」と起訴内容を認めた。
被告人尋問で弁護人の浅野元広弁護士は、「小泉被告と浅利さんは1986年ころから知り合い、20数年の友人関係だった。被告が25歳、浅利さんは26歳でそれ以来家族ぐるみの付き合いをしていた。明るくてお酒も飲む浅利さんと、お酒を飲めず人付き合いもなく内向的な被告にとって、浅利さんは家族の次に大事な人だった」と述べ、小泉被告も「妻にも話せないことを話せる友人だった」と証言した。
 
 浅利被告が資材会社を辞めて独立したため、浅利被告の会社が順調に売り上げを伸ばせるように、受注した工事業者などに浅利被告の会社が扱っている建設資材を使った方が良いと推薦してきた。この行為自体は「他の市職員も同じようにやっている」(弁護人)
  
 浅利被告の会社が売り上げを伸ばせるように、2年前から贈賄で公判中の土木会社専務に最低制限率を漏らすようになり、その会社に受注させて浅利被告の会社から資材を購入させるようになった。
 
 最初は金品を要求せずに最低制限率だけを教えていたが、浅利被告から「土木会社専務から少しくらい貰ってもいいのでは」と言われ、専務も「必要なものがあれば用意するよ」と言ってきたために、「つい乗ってしまった」と小泉被告は証言した。
 
 また、「浅利さん以外ならそういうことにはならなかった。長年の付き合いの中でそうなってしまった」と語った。
 
 園原敏彦裁判長は、「お金を貰わなくても(最低制限率を教えることを)やっていたのか」と問うと、小泉被告は「やっていたかも知れない」と答えていた。
 
 小泉被告は、毎月の給料は家庭に全額渡し、残業代が自分の自由になる金だったが、裁判長が「残業代が減っていたのではないか。市役所本庁では残業手当がないのでは」と聞くと、「全くないわけではなかったが、そのころからお金が欲しいと思うようになった」と小泉被告は答えた。
 
 検察は巧妙で悪質な犯行で賄賂を受け取ることも常態化していたと懲役3年を求刑。浅野弁護人は、小泉被告と浅利被告の深い友情が発端で、公務員の地位を利用して金品を要求したのではなく、談合体質とは次元の異なり受け取った額も少額だとして「執行猶予が相当と考えている」と主張した。
判決は、7月8日午前10時から地裁804号法廷で言い渡される。

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