マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2023年の8回目は、北区新琴似2条7丁目の旧「コープさっぽろ新琴似南店」。(写真は、解体工事が始まった旧「コープさっぽろ新琴似南店」)

 新琴似通沿いにあった「コープさっぽろ新琴似南店」は、昭和50年代にオープンした店舗。当時の新琴似地区は、競合店もなく、「新琴似南店」は旧「新琴似店」、旧「屯田店」と共に同地区でのコープさっぽろ黄金期を支えた店舗だった。時代は巡り、周辺には競合店がひしめき、2019年11月に「新琴似南店」は近隣に新設された「しんことに店」に移転、閉店になった。店舗の建物には、「ツルハドラッグ新琴似2条店」も入っていたが、こちらも近隣に新店舗を建設して移転、以降は空き店舗の状態が続いていた。

 敷地面積は約2210坪(約7296㎡)、建築面積約1107坪(3656㎡)、コープ店舗の売り場面積は約397坪(約1313㎡)だった。土地建物の現在の所有者はコープさっぽろのグループ会社、シーズ協同不動産(札幌市西区)。   
 閉店から3年半、ようやく解体工事が始まった。期間は2023年5月8日から同年11月18日まで。注文者は、建物をシーズ協同不動産から賃借していたコープさっぽろ(本部・札幌市西区)、解体を行っているのは本間解体工業(本社・同市西区)。シーズ協同不動産は、建物解体後に土地を売却する予定になっている。売却先は飲食関係が有力とみられている。


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