アークス3C体制でトップ陣刷新、横山会長CEO、猫宮社長COO、古川副会長CFO

流通

(写真は、アークス社長交代の記者会見。右から副会長CFOに就任する古川公一氏、会長CEOに就任する横山清氏、社長COOに就任する猫宮一久氏、ラルズ社長に就任する松尾直人氏)

 続いて、記者会見での一問一答を抜粋して掲載する。

 ーーロピアについて。

 横山 ディスカウンターとして承知しているが、ああいう業態の店舗は、どの時代でもあった。マスコミ対応がうまいと感じている。普通の食品ディスカウンターがやってくるという認識で、しっかりと受け止めていく。ただ、2店舗では採算が合わないから、これから思い切ったことをやることになるだろう。今は、コスト競争の時代であり、安く売るにはそれだけの理由があるのだろう。お手並み拝見という感じで受け止めている。

(ロピアは)1店舗で50億円を売ったとして、10店舗で500億円。これだけでは、北海道の食品マーケットに大きな影響を与えられない。私は、むしろ同じグラウンドでゲームをする仲間という感じでイオン北海道を見ている。いずれにしても、ロピアに関しては、しっかりと、まともに受け止めて対応する。我々が考えていることを超える状況があれば別だが、我々が対応できる範疇にあると思っている。イトーヨーカドーの物件は、一昨年から我々にも打診があって、お断りをした物件。我々が、手を出さなかった物件をどうするか、好奇心を含めてお迎えしたい。

 ーーアークス社長に指名された理由は何だと考えているか。

 猫宮 ラルズの8年間の業績、行動がある程度評価されたのではないか。横山社長のような強力なリーダーシップで引っ張っていける能力も人脈も私にはない。周りの仲間と話し合いながら、良いもの、悪いものを一つひとつ解決していくのが私の経営姿勢。仲間と話しあって、誰が、どこに適任なのかをきっちりと見極めながらグループ経営にあたっていきたい。

 ーー会長、社長として何に取り組んでいくか。

 横山 頭から抑えることをしないで、それぞれ特徴を生かして進めていくのが八ヶ岳連峰経営。我々の業態が生き延びて、世の中のため、人のためになるには、ある程度の規模が必要。売り上げを1%でも2%でも上げながら、1兆円を目指す。1兆円になれば、さまざまな面で規模のメリットを発揮できる。3年、5年ではできないが、足らざるを補いながら、時間ががかかっても1兆円をやっていく。

 猫宮 私は営業出身なので、良い店舗をきっちりとつくっていくことに注力したい。スーパーマーケットは、愚直に基本的なことをしっかりやり続けて、強くなっていく業態だと思っている。自ら考えて行動できる人を育て、利益を出していく。M&Aと同時に、そうした体制をつくっていく。

 ーーなぜ今、社長交代なのか。

 横山 これまで年齢は気にしていなかったが、間もなく卒寿で独りよがりもあったかなと感じている。昨年の役員会で、『アークスの最大の問題は、あなたが倒れた場合にどうなるかだ』という意見が出た。同じ仲間だったユニバースの三浦紘一最高顧問(アークス前会長)も昨年亡くなるなど、人の命というものを身近に意識した。自分が独りよがりではだめということで、3C体制にした。私が持っている人間関係などは、まだ3年間は持つだろう。新しい形で北海道に資本投入してくる企業に対しても、3年くらいでけりがつくだろう。もし私が倒れても、三角形がフラットになるだけで、2人で十分にやれる。そういう面も含めて、私がしがみついている状況をつくりたくないということで、3C体制にした。私がいなくなっても、安心して任せられるということだ。

 ーー代表取締役を2人にした理由は。

 横山 私の考えている体制では、3人は不自然。次の手を打つためには、まだゆとりがあった方がいいだろうとことだけで、それ以外の理由はない。

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