北海道民の40歳代の方には、子どもの頃の懐かしい思い出になっているかもしれないファミリーレストラン「ヴィクトリアステーション」。北海道発祥のこのファミレスが、地味に閉店を重ねていると当サイトで紹介したのはほんの1週間前。ところが、この1週間で2店舗も閉店、地味どころか閉店ピッチを上げているようだ。(写真は、2月7日に閉店した「ヴィクトリアステーション篠路店」)

「ヴィクトリアステーション」は、ビッグボーイジャパン(本社・東京都港区)が展開しているハンバーグ、ステーキを中心にしたファミレス。北海道発祥という経緯もあって、現在でも道内で最も多い店舗数を維持している。

 1週間前に当サイトで「旭川忠和店」(旭川市)が21年1月17日に閉店して38店舗になったと書いたばかりなのに、その後、「篠路店」(札幌市北区太平4条1丁目3ー5)と「苫小牧船見店」(苫小牧市船見町2丁目6ー6)が閉店したことが分かった。

 そのうち「篠路店」は、2月7日22時で閉店。この店舗は写真のように昭和50年代のファミレスの時代観を投影した外観を残している。隣接する「ビッグハウス太平店」は、もともとは昭和54年にオープンした西村の「コンシューマーズマートにしむら」だった。その後、西村がダイエー傘下に入る過程でラルズが店舗を取得、平成6年に「ビッグハウス」第1号店となり、その後のラルズ成長の原動力になった店舗。「ヴィクトリアステーション篠路店」は、そんなスーパーの息遣いを間近に感じながら同時代を過ごしてきたが、ひと足先に40年を超える役割に幕を下ろした。

 北海道最多で最古のファミレスであるだけに、道内各地の「ヴィクトリアステーション」には、その地域で過ごす人たちの思い出が詰まっている。いつか別れの日が来ることは覚悟していても、いざその日が来ると切ない気持ちが込み上げる。その日はすぐやってくるーー只今道内36店舗。


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