ーーオリジナル商品の開発が進んでいます。

 青栁 第1四半期に食品商品開発部で作ったのは約70SKUになっています。オリジナルコロッケや海鮮スープ、ひとくちフライドチキンなどを開発してきました。スイートコーンの入ったコロッケなどいろいろなものを開発しています。今後は、「マックスバリュだったらこの商品」、「イオンだったらこの商品」と言われるような看板商品をどう作るかが課題になってくるでしょう。各社とも一番しのぎを削っている分野ですから、当社も力を入れて取り組みます。

 ーー石狩PCの生産性を上げるためのオペレーションには課題はありますか。

 青栁 まだまだ生産余力はありますし、今以上のレベルを目指しています。まだまだ、これからです。アウトパックだけではなく、カミサリー、キット商品もどんどん拡張していって、店舗での作業効率を改善していきます。今まで、インストアで製造していたものを、キットで店舗に供給し、店舗でセットすることによって、店舗の作業効率が上がります。サラダでは、チキンのサラダが売れ筋で、タルタルチキンのサラダもキット商品です。店舗にはカッティングされたサラダやPCで揚げたチキンが供給され、店舗ではそれを切って、添付のタレをかけて作業を終えられるようにしています。SMの店舗では、何回転も売れる商品が出ていますから、そういう商品を開発していかなければならないと思います。

 ーーインストアで作らなければならない商品には、どんなものがありますか。

 青栁 店舗のバックヤードで作る商品には、水産商品では刺身や造りがあります。こうした商品は、単価が上昇し今までのような値段で売れなくなっているので、ご当地盛りや道産盛りのように、地域の各エリアで水揚げされる代表的な魚種を入れた盛り合わせを考案して、それを主軸に売っています。お客さまの嗜好が、手間暇かけずに食べたいという嗜好に向かっており、そのニーズに応えることで言えば、刺身、造りはインストアで一番の力を入れていく分野だと思います。
 鮮魚の丸物(魚まるごと一匹)も課題です。前浜の産地バイヤーが各地域にいますから、彼らが前浜で揚がった魚を仕入れて、それをその日のうちに店頭で処理していますが、従来だったら氷を敷いて積んでおくと、お客さまがそのまま買うか、あるいは「捌いて」と相対の売り方でした。しかし、最近は切った状態で売らないと売れないようになってきました。この辺りにも手をかけていきます。お客さまにとって利便性のあるところへ、手をかけるところは手をかけます。その部分は、なかなかPCのアウトパック化ができない分野です。

 農産商品にもPCで生産できるものがありますが、基本はきちんと産地を開発して、地元の美味しい青果物をいかにリードタイムを短くして提供できるかがポイント。肉商品は大半がPCで生産できると思います。マップ包装(ガス置換包装)やスキンパック包装(真空パック包装)でかなり日持ちするようになっていますから、店舗でインストア製造する必要性があまりないのではないかと思います。

 ーー今期の新店舗やリニューアルの計画は。

 青栁 新店舗は、10月にオープン予定のザ・ビッグ永山店(旭川市)とマックスバリュ音更店(河東郡音更町)の2店舗です。リニューアルによる大型活性化は、今期9店舗の予定です。GMSのリニューアルも予定しています。

 ーー中期計画では、GMSの新店舗は予定していますか。

 青栁 中期計画ではGMSの新店は予定していませんが、S&B(スクラップ&ビルド)は考えていきます。地方の主要な中核都市には、ほぼすべてGMSを展開していますから、それ以上の出店で、ドミナンスを形成するとすれば、SM、DSというフォーマットでの出店になります。統合の目的は、SM、DSのフォーマットをもっと拡大することにあります。稼ぎ出す力のあるイオンと、スピードや変化対応力があって、もっと稼ぐことができるマックスバリュを一緒にして相乗効果をつくり出すのが本来の統合の目的ですから。



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