食品スーパーのダイイチ(本社・帯広市)は、当初3月31日で閉店予定だった「壱号店」(帯広市西1条南10丁目14番地)を当面の間、存続して運営することにした。地元商店街などから存続要望が強く地域への影響を勘案して閉店を撤回した。(写真は、「ダイイチ壱号店」=同社のホームページより)

 ダイイチは1958年7月、地元商店街の商店主らが中心になって「帯広フードセンター」として資本金1000万円で設立された。セルフサービス方方式のスーパーマーケットを展開するのが目的で、同年9月に「壱号店」を現在地に設置され、北海道のスーパーマーケット(SM)1号店として営業を続けてきた。

「壱号店」は、2階建てで店舗は1階にあり、面積は約117坪(389㎡)と小型店サイズ。店舗は賃借で築後70年ほどが経過、老朽化が激しいほか、売り上げも低迷し赤字の店舗だった。株式を上場している同社にとって、収益店舗に経営資源を振り向けることが求められることから、同社の1号店で北海道のSMのルーツである「壱号店」の完全閉店を決めていた。

 しかし、地元商店街や町内会などから閉店によって空洞化が加速、賑わいも減るとして存続要望が強く、「地域の声に応えなければならない」(川瀬豊秋常務)として、当面存続することを決めた。同社は、近く商品部や販売部、開発部で今後の運営方針を取りまとめる方針。「損益が合う形での営業体制を模索したい」(同)としている。


21人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。