その他次長級、局長級でも面妖な人事が多い。農政部の大西秀典・農政部農村振興局長は56歳だが、道立総合研究機構の環境・地質研究本部長に転じた。現本部長の山田恵二氏(前農村振興局長)の退任に伴う人事だが、このポストは事実上最終地点である。もっともそれはこれまでの話で、今後どうなるか分からないが……。若くても油断ができない人事なのである。
 
 この訳の分からない人事について、道庁OBのある人はこう言う。「いまや局長以上の人事は知事本人の意向で決めている。今回も一部を除き知事好みの人事だなという印象だ」
 知事の好みでは、やられた方もたまったものではないが、ある消息通はこう見る。
「結局、佐藤氏にしても渡辺氏にしても、好みというより苦労を掛けさせたからその行賞という意味合いでやったのでしょう。佐藤氏の場合は長い間、原発に係ってきた、渡辺氏の方は交通企画監として新幹線や空港民営化、そしてJR問題と苦労させてきた――と。それだけではないのかな」。しかし、彼らが何をしたというのか、行賞を裏付けるようなことはしていないのでは、という声もある。
 さらに「と言うことは、5選はないということだろう。5選はないからお世話になった職員への労いはここでやるよりないと思ったのではないか」。加えて「堀元知事の最後の時を思い出す人事だ」と言う。
 
 確かに今回の人事を見る限り、先に何かを考えている人事とは思えない。佐藤氏にしても渡辺氏にしてもその場その場で今後、リーダーシップを発揮できるだろうか。後ろ向きのようにも取れる今回の部長級人事によって、今後道政はさらに方向性を失い、『海図なき航海』を続けることになることは間違いない。
 最後にある道政通の言葉をひとつ。「今回の人事を論功行賞とか言っている人がいるが、見当違いだ。彼らには論も功もあるとは思えない。あるのは彼らへの知事の情実。言ってみれば単なる情実人事だ」
 厳しい見方だが、そう見られていることを知事は分かっているのだろうか。

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