帝国データバンク札幌支店は、2010年度の北海道内スーパーストア売上高ランキングを発表したが、それによると札幌や旭川、帯広など都市部に基盤を置くスーパーと地方に基盤を置くスーパーの収益格差が拡大していること、また都市部でも収益性に格差が出るなど「地域差による優劣」、「同一地域における優劣」がくっきりと現れた。食品卸会社の再編で、地方への加工食品供給が細る「卸弱者」の地方スーパーが今後も増加すると見られ、「地域差による優劣」はさらに広がりそうだ。
 
 帝国データバンク札幌支店が発表した売上高ランキングの上位20社は次の通り。カッコ内は伸び率、▲はマイナス。
1位 コープさっぽろ 2544億4000万円(4・2%)
2位 イオン北海道 1662億1400万円(0・0%)
3位 ラルズ 1156億4200万円(0・7%)
4位 マックスバリュ北海道 775億1800万円(1・2%)
5位 ホクレン商事 637億7900万円(▲2・5%)
6位 福原 460億1600万円(2・3%)
7位 東光ストア 456億3800万円(▲3・7%)
8位 北雄ラッキー 442億4900万円(▲2・0%)
9位 ふじ 306億800万円(2・7%)
10位 ダイイチ 271億9200万円(▲0・8%)
11位 道南ラルズ 211億3100万円(1・5%)
12位 豊月 191億3700万円(▲5・1%)
13位 道北ラルズ 174億6400万円(0・2%)
14位 道東ラルズ 158億2200万円(▲1・1%)
15位 魚長 153億3700万円(▲12・3%)
16位 北海道ジェイアール・フレッシュネス・リテール 150億円(▲4・5%)
17位 津司 120億円(0・0%)
18位 いちまる 106億4100万円(▲2・3%)
19位 丸しめ志賀商店 105億800万円(▲2・2%)
20位 東武 70億1600万円(▲5・6%)
 
 総じて言えば、アークスグループ(ラルズ、福原、ふじ、道南ラルズ、道北ラルズ、道東ラルズ、東光ストア)、コープさっぽろ、イオングループ(イオン北海道、マックスバリュ北海道)など都市圏に基盤を置く大手グループは、堅調な売上げを確保。札幌、帯広など都市圏でも大手グループに入っていない単独スーパーは苦戦しているという構図だ。経常利益面でもグループと単独スーパーの格差は出ている。
 
 21~50位を占めるのは多くが地方スーパーだが、30社のうちで売上高が前年よりダウンしたのは、21社にも及んでいる。売上げを10%以上落としたのは、コープさっぽろグループの室蘭・志賀綜合食料品店(▲34・1%)のほか帯広・日静産業(▲14・5%)、滝川・JAたきかわサービス(▲12・9%)、恵庭・魚はん(▲10・5%)、白老・熊谷商店(▲10・9%)。
 
 地方に拠点を置くスーパーは、売上高が10~30億円の規模が大半。食品卸会社の再編によって加工食品物流の効率化が進み、遠距離・小口の物流は先細りの傾向が強まっており、地方拠点のスーパーは商品調達にも工夫が必要になっている。
 
 こうしたことから、「地域差による優劣」はさらに開きそう。さらに、地方スーパーを苦境に陥らせているのが、大手グループや本州大手が地方都市で進めているディスカウント合戦。ディスカウント化が進むと商圏の範囲が広がるため、地方単独スーパーは大きく影響を受けることは必至。
 
 2011年度は「同一地域における優劣」と「地域差による優劣」がさらに顕著になり、地方単独スーパーの大手グループ入りも強まりそうだ。


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