米アップル社も注目しているアウトドア用品のトップブランド、スノーピーク(本社・新潟県三条市)は5日、地域金融機関の北海道銀行(本店・札幌市中央区)と道内自治体などが抱えるアウトドア施設の再生やブランディングを支援していく連携協定を締結した。アウトドア用品のスノーピークが金融機関とこうした協定を結ぶのは初めて。179自治体を擁する北海道の情報窓口として道銀の店舗網や自治体との繋がりを活用することにした。IMG_1949(写真は、連携協定書に署名した道銀笹原晶博頭取=右とスノーピーク山井太社長)

 スノーピークは、1958年三条市で設立され、2014年12月に東証マザーズに上場、15年12月には最短で東証1部にステップアップした。14年12月期の売上高は55億5900万円、純利益は1億1600万円。 
 テントやキッチンシステムなど約700品目のアウトドア用品を通じて新しいアウトドア文化を提案する価値創造を得意とする企業で、これまでに大分県日田市のキャンプ場をリファインしたり、大阪府箕面市、高知県土佐清水市のアウトドア施設の再生、ブランディングで実績がある。
 
 道銀は、道内自治体の地方創生を支援していく組織を行内に設置しており、地域の観光資源でもあるキャンプ場や宿泊施設を再生すればレジャー客の入り込み増に繋がり地域活性化が図れると判断、この分野で実績のあるスノーピークと組むことにした。
 一方のスノーピークも北海道は事業的には手つかずの状況だった。自治体との接点はなく多くのアウトドア施設で再生需要が見込める中で道銀と組むことがベストと判断した。
 
 既に協定による1号案件として帯広市を中心とした十勝地域で進めているアウトドアを切り口にしたローカルブランディングが進行中。帯広市は近く道銀とも包括連携協定を締結、協力関係を構築する。また、帯広市にあるポロシリ自然公園オートキャンプ場で7月2~3日にはスノーピークの協力でアウトドアの新しい在り方を探るイベントも開催される。
 
 5日、東京ドームホテル札幌で行われた連携協定の締結式で道銀の笹原晶博頭取は、「道内には330のキャンプ場があるが、多くはポテンシャルを生かし切れておらずもったいない。再生の仕掛けづくりをしたい」と語った。また、スノーピークの山井太(とおる)社長は、「優れた自然を生かしたアウトドアライフの提案でアウトドア先進地域をめざし欧米からの客も呼び込めれば」と話した。
 協定の締結式には道銀と包括連携協定を結んでいる道の山谷吉宏副知事と1号案件を抱える帯広市の米沢則寿市長も出席した。会場には、スノーピークのテントなどが置かれ、会見用の机や椅子も同社製が使われていた。


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