DSC_6373DSC_6377 札幌証券取引所は3日、札証アンビシャス上場の健康コーポレーション(本社・東京都新宿区)と同社がTOB(株式公開買い付け)で連結子会社にした東証ジャスダック上場、ゲオディノス(同・札幌市)の個人投資家向け会社説明会を開催した。約70人が参加、2社の経営戦略などに聴き入った。(写真左は健康コーポレーションの香西哲雄取締役、写真右はゲオディノスの河野正社長)
 
 健康コーポレーションの事業概況は香西哲雄取締役が説明。健康食品の企画・通信販売で成長してきた同社は2003年に設立され06年5月に札証アンビシャス市場に上場。年間40億円ほどの広告宣伝費をかけており会社設立以来、11期累計で500億円を投じてきたことで広告宣伝のノウハウがあることを強調、「このノウハウを活かした販売支援の目的でM&Aにより14社の連結子会社を有するようになった。14年3月期は連結売上高213億円、ゲオディノスなどの子会社化によって15年3月期は300億円を超える」とした。営業利益と経常利益は10億円前後で、「売上げは順調だが収益性の改善が課題」と語った。
 
 総資産170億円のうち純資産は45億円で自己資本比率は25~6%あるが「今後も最低でも20%以上は確保していく」と述べた。
 生活必需品など、なければ困るニーズ型ではなくてあることによって幸福度が上がるウォンツ型の事業をM&Aしていく考えで、子会社化したプライベートジムを展開する「RIZAP」は他の一般的なスポーツクラブに比べて圧倒的なコスト優位性を元に健康コーポレーションの広告宣伝力で年商50億円規模に成長している実例を示した。
 
 ゲオディノスは、旧スガイエンタテインメントの流れを汲み札幌が発祥の地。健康コーポレーションの子会社化によって新社長に就いた河野正社長が事業内容を説明、複合アミューズメント施設の展開のほかにもフィットネス事業やカフェ事業が伸びていることを紹介した。中でもフィットネス事業について「大手と価格競争しないことにしており駅から遠いところに展開。利用者は中高年が多く退会者が少ない。インストラクターが声を掛けて初心者をサポートしていくGTS(ゲオ・トレーニング・サポート・システム)によって長く続けてもらえるサービスを徹底している」と特長を語った。
 
 健康コーポレーションとのシナジー効果を出していくため、4月末にディノス札幌中央の地下2階に「RIZAP」1号店を出店、今後の足掛かりとする方針を明らかにした。また、不採算店の見直しや本社機能の見直しで現場力をアップさせること、スタッフのモチベーション向上に取り組む考えを示した。なお、ゲオディノスは6月下旬の定時株主総会で社内公募によって社名を変更する。


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