「北方ジャーナル」2020年6月号が本日15日、店頭に並んだ。今月のトップは、全38頁にわたる新型コロナショックの特集第3弾だ。今回のコロナ禍が及ぼした影響はあまりに広く、破壊的。昨年末、中国の武漢市から広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、これまで世界で400万人近い患者と30万人に迫る死者を出し、今なお終息が見えていない。お世辞にも感染対策が十分ではなかった我が国は幸運にも感染爆発を免れたものの緊急事態宣言が延長される中で経済は凍りつき、社会は疲弊の色を濃くしつつある。そんな中で本号では、地方自治体各々が講じている市民や事業者への救済策を総覧したほか、最前線で奮闘する札幌市医師会の声や人獣共通感染症の権威へのインタビューを掲載。さらに各界各層への影響を深掘りしたほか、フランスから本誌に届いた生々しい“ロックダウンレポート”も併録した。コロナ関連の話題がメディアに溢れているが、本誌でしか読めない情報を是非チェックしてもらいたい。(画像は、北方ジャーナル6月号の表紙)

 国や自治体の外出自粛要請が続く中、それを伝える立場の報道関係者が自宅で暴行事件をを追ったレポート「STVデスク、虐待で逮捕」も見逃せない。被害を受けたのは、同居する小学生の娘。事件を受け、加害者が勤務する民放局は「厳正に対処する」と表明したが、局の内部からは「別の問題で処分されたばかりなのに」との声が漏れ聴こえてくる。休校中の娘に手を上げたその人には、もともと複数の“余罪”があったという。

 本誌面で報告を始めて5年めになる北海道警察の不祥事問題。本年最初の四半期となる1~3月の懲戒処分・監督上の措置は、しめて40件に上ることがわかった。年度が替わってからは女子児童への淫行などによる現職巡査部長の処分も伝えられ、早くも監察官室が謝罪する事態に。情報公開請求で得られた事実を中心に、現時点でわかっている事案の概要をお伝えする。

 このほか上川管内中川町(石垣寿聰町長)の「イノチヲツナグ・プロジェクト」問題の続報にも注目だ。先月号で報告したように加工施設で頭部などエゾシカの残骸が散乱しているのが発覚。事業会社も破産手続きに入るなど国の交付金や町の補助金はドブに捨てられる雲行きとなっている。エゾシカの駆除と有効活用を目的に進められていこの事業には公金不正流用の疑いも浮上。果たして中川町の責任と関与の実態はどうだったのか──。

 さらには札幌市内における最新の“病院引越し”丸わかり情報、「札幌駅北口8・1再開発事業」の泥沼化する動向なども収録。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル6月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※6月号主要コンテンツ
【特集・新型コロナショック】救いは、どこに──
●道内市町村に緊急アンケート 全力で“わがまち”を守る。自治体、懸命のコロナ対策
●札幌市医師会・松家治道会長に訊く 医療従事者を差別から守り、“うつさない”行動の徹底を
●北大名誉教授・橋本信夫氏に訊く 宇宙船地球号の共同体で生物災害へ備える体制を
●現地報告/在留邦人が見たフランスのロックダウン 全仏都市封鎖の中を生きる
●航空業界を襲う新型コロナ禍 世界の空から消えた飛行機、日の丸エアラインの行方は
●阿部欣司氏に訊くコロナ後の北海道観光 浮揚の鍵はアドベンチャーツーリズム
●札幌・生活困窮者激増前夜 困窮爆発 遠からじ
●緊急事態、囚われ人にも 刑事施設“自粛”中、刑務作業では医療衣製作へ

【報道】
■道警不祥事から考える〈41〉──2020年“第1四半期”速報 相継ぐ免職・停職
■外出自粛で起きた悲劇 STVデスク、虐待で逮捕“コロナDV”加害者は報道人
■中川町・エゾシカ解体加工事業の闇 残骸を現地に残し破産手続き、利用された町は交付金返還へ
■迷走続ける「札幌駅北口8・1再開発事業」 説明や同意なき権利変換計画、地権者の取消し訴訟で泥沼化

【ニュース】
■つしま医療福祉グループが介護施設と病院スタッフにインスタントラーメン約6万食を贈呈
■NPO法人レタ・ポスが昨年度のひきこもりサテライト・カフェ事業を報告
■小樽市が野外彫刻などの点検情報をデータベース化。保存に向け活用へ
■北海道のご当地ナンバープレート「苫小牧」「知床」が5月に初登場

【経済】
●札幌の“病院引越し”丸わかり情報 時代に合わせて施設を更新
●権利変換計画取消し訴訟で泥沼化する「札幌駅北口8・1再開発事業」

【医療】
●北海道整形外科記念病院の新院長・近藤真医師に訊く「全ての患者に最善の医療を提供」

【長期連載】
■ルポ 「ひきこもり」(57)──小樽の家族会元世話人「私の体験」⑤家族会を支え逝った母たち
■戦争遺産をめぐる旅(59)──国立歴史民俗博物館で本物の三八式歩兵銃に触れる
■“農と食”北の大地から(184)──「農福連携」の可能性。鶴居村「生活学舎のんき」の実践から


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