「北方ジャーナル」2021年5月号が本日15日、店頭に並んだ。今月号のトップは、旭川発の本誌独占スクープ「菅原組が社会福祉法人かがやきに丸投げした介護事業で噴き出した私物化疑惑」。旭川の建設会社菅原組(菅原吉孝社長)の介護事業を引き継いだ社会福祉法人かがやき(岩崎正則理事長・本部旭川)に私物化疑惑が持ちあがった。2年前に岩崎理事長から放逐された元常務理事が起こした訴訟で介護給付費の不正請求が問われたほか、架空工事による裏金づくりという公益法人としてあるまじき事案も発覚。元市議会議長がトップを務める、この社会福祉法人は、いまコンプライアンスの危機の渦中にある。(画像は、北方ジャーナル6月号の表紙)

 教員による学生へのとんでもないパワハラが明るみになった道立江差高等看護学院に関する調査報道第2弾「告発・絶望の学府②」も見逃せない。前号の報告から1カ月、事態はほとんど進展していない。この道南の公立専修校で起きていたとされる長期間のパワーハラスメント問題では、疑いが表面化したことで複数の教員が一時的に教壇を離れることにはなった。ところが、具体的な未然防止策や過去の被害の救済策などは、今もって示されないままだ。再三にわたって問題解決を要請し続けている保護者らは、遅々として進まない行政の対応に憤りを隠さない。

 他のメディアの追随を許さないシリーズ「道警不祥事から考える」では、未成年相手に強制わいせつを働き逮捕された元警察官の犯罪をスクープ。さる4月上旬、札幌市内の小学校で児童の登下校を見守る「スクールガード」の1人が未成年相手の性犯罪で逮捕された。地元警察は事件を報道発表せず、検察は処分保留で容疑者を釈放。同じ地域に住む被害者の心情は定かでないが、そのわいせつ犯が元警察官だと知った時の驚きは察するに余りある。さらに驚愕すべきは、複数の元同僚が打ち明ける事実。その犯行は、今回が初めてではなかったことだった。

 このほか、「こども学科」が新設されたたばかりの女子短期大学部を学校法人札幌大学が2022年度で廃止することを決めた問題、風力発電の建設ラッシュに小樽の住民団体が反対運動に立ち上がったレポート、大手業者に丸投げされた安平町における産廃処分場の行方を追った記事もオススメ。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル6月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※5月号主要コンテンツ
【報道】
■旭川発─菅原組が「社会福祉法人かがやき」に丸投げした介護事業で噴き出した私物化疑惑
■告発・絶望の学府(2)─江差看護問題、膠着状態。道の明答ないまま1カ月
■道警不祥事から考える(50)─元警官の悪質事件、未発表。未成年相手に強制わいせつ
■就労支援事業所の責任とは―不当解雇「無効」逆転判決、障碍者雇用のあり方に一石
■札幌大学で広がる経営と教育現場の溝。理事会に切り捨てられる女子短大
■道2区補選──分裂回避し勝利した野党陣営、保守勢力は候補者乱立で自滅
■再生可能エネルギーを問い直す(3)─風力発電の建設ラッシュに小樽の住民団体が反対運動
■安平町発・大手業者に丸投げされた産廃処分場の行方
■首相批判封殺の波紋〈17〉─野次排除訴訟、今秋にも尋問。原告は「警官全員」出廷求める
■“核のゴミ”レポートPART20─幌延深地層研究センター「500m掘削計画」に機能しない「確認会議』

【ニュース】
■恵庭事件再審、特別抗告も棄却。「私は犯人ではない」と出所女性
■札高検・田辺検事長が着任会見。質疑中の撮影制限、初めて緩和
■日高町での産廃処分場計画に期成会が反対署名を道に提出
■北ガスが道銀、常口アトムと連携して賃貸住宅事業へ参入
■名和氏の「北大総長解任事件」でパワハラ文書不存在が明らかに

【経済】
■北海道銀行新頭取に兼間祐二取締役常務執行役員が就任へ
■カリスマ「ベーカリープロデューサー」岸本拓也さんに訊く「皆にささやかな幸せを届けたい」

【ウイルス対策最前線】
●「コロナ禍から日本を救う」日本除菌連合が誕生。次亜塩素酸水溶液やオゾンなど「コロナ不活化」の事業者が結集

【医療・福祉】
●CCRC「ココルクえべつ」で目指す定住と共生、交流の新たな共同体

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(69)─横断的な取り組み不足の小樽市支援行政、昨年度は市と保健所の面子争い?
●〝農と食〟北の大地から(190)─北海道産アスパラガスの歴史と今(前編)。100年前に岩内で新品種を作った下田喜久三の営み
●戦争遺産をめぐる旅(70)─茨城県鹿嶋市の「桜花公園」から“人間爆弾”の開発秘話を紐解く



6人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。