「北方ジャーナル」2020年4月号が本日14日、店頭に並んだ。今月のトップは、いま国内と世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス禍の緊急特集だ。都道府県で最も感染者数の多い北海道では鈴木直道知事が2月28日、緊急事態宣言を出すなど緊迫の度合いを増している。“いま、そこにある危機”とはどのようなものなのか。それを乗り越えるためには何が必要なのか。まずは起きている現実を冷静に見極めるほかはない。(画像は、北方ジャーナル4月号の表紙)

 そのために本誌が急遽用意したコンテンツは3本。まず札幌医科大学附属病院長・土橋和文教授へのインタビューでは、今回のウイルスの正体をはじめ流行予測、予防策を徹底解説。さらに札幌市保健所への取材では、医療機関や市民からの問い合わせに応じている感染症総合対策課・古澤弥医師へのインタビューを掲載。PCR検査への対応に追われる“ウイルス最前線”のジレンマを明らかにする。健康被害はもとより看過できないのは、ウイルス禍の影響で経済が事実上フリーズし、予期せぬ不況が現実のものとなりつつあることだ。最後の1本は“自粛に次ぐ自粛”で急ブレーキがかかった道内経済のレポートをお届けする。

 本誌が2年前から不正融資や会社乗っ取りなどの不法行為を報じてきたザイ・コンファーム社の小林健治氏が2月19日、道警に逮捕された件の関連報道も見逃せない。昨年6月の家宅捜索を踏まえ、道警が今回摘発に踏み切った理由とは何か。今回の逮捕により同氏が手がける国がらみの助成保育事業にも暗雲が漂い始め、再逮捕の声も聞かれる。“偽装コンサル”が過去に手がけた犯罪の全貌は明らかになるのだろうか。

 北海道屈指の名社・姥神大神宮(檜山管内江差町)で続く内紛を独自取材した記事もオススメだ。3年前に着任した現在の宮司が、経理の適正性や神事の作法に疑義を呈した役員と衝突、収拾をはかる神社庁から異例の「退職勧告」を受けることになった。道南の古社を不意に襲った穏やかならぬ事態とは──。

 昨年9月号から報告を続けている首相演説野次排除問題のレポートも読み応え十分。「必要な警察措置を講じたものであります」。7カ月半を費やした“事実確認”の結果、現場の警察官たちの行為はすべて不問に附された。捜査にあたった検察も告訴事件の全てで不起訴を決めるに至った。道議会で警察幹部らは排除を不問にした理由をどのように説明したのか。

 このほか、施設修繕費の負担をめぐり長沼町と恵庭開発が泥仕合を演じ、営業がストップしたマオイゴルフリゾート問題の続報、爆発事件でマンション住民がアパマン北海道を訴えた裁判が2月末、初の口頭弁論を迎えた件などもオススメだ。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル4月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※4月号主要コンテンツ
【緊急特集・新型コロナショックを乗り越える】
●札医大附属病院長・土橋和文教授「重篤な患者を拾い上げ命を救う体制の構築を」
●札幌市保健所感染症総合対策課・古澤弥医師「指定感染症故のジレンマ、コロナ対策最前線の葛藤」
●ルポ──経済を金縛りにした“外出自粛”。非日常が生んだデマとパニック

【報道】
■ザイ・コンファーム小林健治氏の不法行為を追う。逮捕された“偽装コンサル”。北署が貸金業法違反で身柄拘束
■首相批判封殺の波紋⑦──道警 謝罪せず。7カ月半経て「全て適法」の噴飯報告
■道南・歴史的神社の変。江差「姥神」関係者間に深い亀裂。神社庁の退職勧告、宮司が拒否
■道警不祥事から考える40──元巡査長の盗撮事件、初公判。下着盗では同僚女性が被害に
■札幌・平岸 不動産店爆発事件⑤──被害住民「誠意」求め意見陳述 アパマン側は請求棄却求める
■医療現場で散った命⑨──看護師パワハラ死訴訟で弁論続く
■マオイゴルフ訴訟が泥沼化。法廷係争中に長沼町が恵庭開発へ営業開始を勧告

【ニュース】
■泊村若手職員が自殺する直前までSNSに投稿した140ツイート
■新型コロナ影響で命脈を絶たれた「くりやまコロッケ」の自己破産
■自衛隊派遣、国の開示なお不足。PKO訴訟で原告側の批判強く

【経済】
●旭川信用金庫・原田直彦理事長に訊く──「地域商社機能の強化に前進」

【地域】
●気骨の市民科学者・斉藤武一さんが鳴らす警鐘「がんが泊村周辺と後志で急増」

【長期連載】
■ルポ 「ひきこもり」(54)──小樽の家族会元世話人が語る「私の体験」③「家族会の歩み」
■戦争遺産をめぐる旅(57)──地上戦を免れた奄美が伝える遺産「掩蓋式観測所」
■“農と食”北の大地から(182)「半農半X」を生きる人たち。当麻町「自然農園ホタルファーム」の実践



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