「北方ジャーナル」2020年5月号が本日15日、店頭に並んだ。今月のトップは、いま国内と世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス禍の特集第2弾だ。昨年12月、中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは瞬く間に地球を覆い尽くし、世界の人々を恐怖に陥れている。感染爆発を起こした中国や欧米などと比べ持ちこたえていた我が国も4月7日に緊急事態宣言が発令されるに至り、緊迫の度合いはいや増すばかりだ。感染力が強い新型ウイルスは人間の生命をおびやかし、経済をフリーズさせ社会の死を招き寄せる──。そんな未曾有の事態の中、足元の北海道では何が起きているのか。本号では経済の中でもとりわけ影響が大きい観光や飲食分野の動向に注目。ニセコエリアや小樽が置かれている現状、さらには防疫体制が世界から注目されている台湾からのレポートも併録した。(画像は、北方ジャーナル5月号の表紙)

“偽装コンサル”として名高いザイ・コンファーム社の小林健治氏の続報にも注目だ。本誌が2年前から不正融資や会社乗っ取りなどの不法行為を報じて注目を集め、2月に道警に逮捕された同氏がこのほど札幌地検に起訴された。罪名は貸金業法違反と出資法違反。気になるのは被告人・小林氏が手がける国がらみの企業主導型保育事業の行方だ。本号ではヤミ金業者として司直の手で裁かれることになった小林氏の周辺を追った。

 昨年9月号から報告を続けている首相演説野次排除問題は今月もリアルタイムで詳報する。当日の排除行為をすべて「適法な職務執行だった」と議会報告した道警は、2人の排除当事者が提起した裁判でも同じ主張を繰り返すことになる。排除の根拠を「ヤフコメ」に求めるなど荒唐無稽な説明に終始する警察に疑念の声が止むことはない。

 このほか、創立半世紀を超えた札幌国際大学(札幌市清田区、蔵満保幸学長)の内部紛争レポートも要チェック。昨年度末、留学生の受け入れをめぐる学内の対立が明らかとなり、日本語能力が一定水準に達していない学生を大量に入学させ、定員充足をはかっていた疑いが発覚した。これを受けて運営法人と当時の学長は同じ日に記者会見を設け互いの認識を強く批判し合う前代未聞の事態に。札幌国際大は新年度以降も混乱が続く様相を呈している。

 さらには泊村の男性職員Sさん(当時24歳)が昨年末に練炭自殺した事件の続報、雪解けとともに惨状が露呈した中川町の「イノチヲツナグ」プロジェクトなど本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル5月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※5月号主要コンテンツ
【特集・新型コロナショック】フリーズする地域と世界
●道内経済は薄氷の上に。社会を一気に凍り付かせた道の“緊急事態宣言”の衝撃
●未曾有の危機に直面するニセコ―成長の立役者が語る〝現状と今後〟
●新型コロナ禍に見舞われる小樽観光。観光バスもヒトも消えた異常さ
●現地報告/留学生が見た台湾事情。味わった“孤独と苦渋”がバネ、世界から注目集める防疫体制

【報道】
■ザイ・コンファーム社 小林健治氏の不法行為を追う。札幌地検が起訴した「ヤミ金業者」
■首相批判封殺の波紋⑧ 「荒唐無稽な説明」続出。道警 国賠訴訟も「適法」主張
■札幌国際大で不適切入試の疑い。留学生受け入れで前学長が告発
■泊村若手職員練炭自殺事件を追う。「いじめなどは一切ない」事件に直面した牧野前村長を直撃

【ニュース】
■現場にエゾシカの頭部や肉が散乱、中川町の加工事業、最悪の結末か
■新篠津の村有地売却に非難轟々「4.5haが25万円」に住民不信
■新人看護師襲った悲劇から8年、職場と争い続く遺族、決意新た
■函館消防で夜間のシフト制廃止、改善委で不正受給対策まとまる
■コロナ禍に苦しむ地元北海道を支援。ニトリHDがマスク50万枚を寄贈

【経済】
●ホーム企画センターがサン建築設計に事業譲渡へ。最後まで貫いた“青木イズム”
●北海道エネルギーから学ぶ災害対策。直営SSの9割で非常用発電機設置

【医療】
●間質性肺炎の漢方治療に尽力した本間行彦院長の北大前クリニック

【長期連載】
■ルポ 「ひきこもり」(56)──小樽の家族会元世話人が語る「私の体験」④「家族会の歩み」(続)
■戦争遺産をめぐる旅(58)──世界遺産・姫路城が先の大戦で焼け落ちなかった本当の理由
■“農と食”北の大地から(183)「半農半X」を生きる人たち2。余市町「シリパの丘農園」富塚廣さんの歩み



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