
――学生が支援する側にもなるということですね。
菅原 そうです。単に教職員から指導されて学生が活動するのではなく、学生自身が考えて動くことに意味があります。本学では、学内ワークスタディとして行っているものについては有償にしています。こうした取り組みは、学生にとって単なるアルバイトではありません。人を支える経験を通して、自分自身も学ぶ。そういう意味では、実学的な学びにもなっていると思います。
考えてみると、こうした学生同士が協力したり、大学の運営に参画したりする文化は、80年前の大学の成り立ちにも繋がっています。若者たちと教職員が一緒になって大学をつくった、そのDNAが今も残っているのだと思います。
――今年から2028年まで3年間にわたって記念事業を展開しますね。
菅原 80周年は、これまでの歩みを振り返るだけではなく、本学を支えてくださった方々に感謝を伝え、次の時代に向けた教育基盤をつくる機会でもあります。特設サイトや記念動画を通じて80年の歴史を発信したり、記念グッズを制作したり、卒業生や地域の方々と一緒に祝うイベントなどを予定しています。
学生にとっても、自分が通っている大学がどういう経緯でできたのかを知ることは大切です。大学の成り立ちを知ることで、自分の大学に対するアイデンティティーを持ってもらう。その意味でも、80周年という節目を活用していきたいと思っています。
――そして20年後には100周年を迎えます。
菅原 100周年に向けた長期計画を現在つくっています。教職員を集めてワークセッションを行い、100周年の時にどんな大学になっていたいのか、さまざまなアイデアを出しています。例えば、「人間力を育成する大学にしよう」「多国籍の人たちが集う多様性のハブにしよう」といった意見があります。
留学生をもっと集め、さまざまな背景を持った人たちが繋がっていくキャンパスにすることや、地域社会との共生もさらに進めていくという意見もあります。ITなどの技術がさらに進歩すれば、大学運営にも取り入れて、より効率的な運営を実現することも必要になってくるでしょう。
もちろん、キャンパスをどうしていくかという課題もありますが、20年後の大学の姿を描きながら、それに向けた具体的な計画をつくろうとしているところです。
――100周年に向けて、大学の規模だけではなく、役割そのものが変わっていく可能性があります。
菅原 そうですね。学生数がどのくらいになるのかは予測が難しいですが、人口が減少していく中で、大学も当然、経営体として考えていかなければならないと思います。ただ、規模がどう変わったとしても、学生との「協働」、地域との「共生」という基本的なスタンスは変わらないと思います。本学が80年間かけて築いてきたものを、次の世代に繋いでいく。そして、それを100周年、その先の未来に繋げていくことが大切です。
――その先の札幌学院大学についてどう展望していますか。
菅原 時代がどれほど変化しても、終戦直後に若者たちが抱いた「学びたい」という熱意の価値は変わりません。本学はこれからも創立の原点を忘れず、地域と「共生」しながら、社会を担う人材を丁寧に育てていきたいと思います。
これから大学を取り巻く環境は厳しくなります。ただ、変化を恐れていてはいけない。時代に合わせて教育を変え、地域との連携を深め、必要であれば他大学とも連携する。80年かけて築いてきた地域からの信頼を大切にしながら、次の100周年、そしてその先の未来に向けて、北海道の発展に貢献する人材を育てていきたいと思っています。
――最後に学長個人のこともお聞きしたい。
菅原 私は紋別市で生まれましたが、当時北海道拓殖銀行に勤めていた父の転勤で1歳の時に札幌に移り、以来ずっと札幌に住んでいます。旭丘高校を卒業して北海道大学に進み、大学院文学研究科(西洋史学専攻)博士課程を経て、当大学には1989年4月に着任しました。趣味は碁を打つことですが、最近はほとんど打っていません。以前は、教職員の囲碁同好会があったので、その会長になったりしましたが、今はその会もありません。かつて、私の担当したゼミにプロ棋士の卵である院生だった学生がいて、驚いたことがありました。その学生とは、囲碁を打ったことはありませんが、打っても敵わなかったでしょうね(笑)。
――本日はありがとうございました。


































