
――新札幌キャンパスは2021年に完成しました。
菅原 新札幌の街自体も大きく変わりました。駅の近くに大学があることで、若者や学生が集まりやすくなったことは大きいと思います。もともと札幌市の都市計画の中で、まちづくりを進めることが一つの目玉になっていました。本学も社会連携センターを新札幌キャンパスに開設して、現在も学生がまちづくりのさまざまな行事に協力しつつ、学びを深めています。
新札幌に大学ができたことで、地域の方々にも大学をより身近に感じてもらえるようになったと思います。地域との「共生」という意味でも、新札幌キャンパスの役割は大きいですね。
――大学を取り巻く環境は、厳しさを増しています。
菅原 教育業界では「2035年の崖」という言い方をします。2035年以降、18歳人口は急激に減少していき、2040年ごろには私立大学の定員充足率が現在の7割程度になるとも言われています。全国的にかなり厳しい状況になる大学が出てくると思います。本学としては、まず札幌学院大学にふさわしい教育内容にアップデートしていくことが必要です。ただ、基本的なところは変わりません。社会に送り出す学生をどう教育していくのか。それが大学の原点です。
本学には「One life, Many answers(人生は一度きりだけど、たくさんのanswerがある)」というブランドメッセージがあります。さまざまな可能性を持った学生が集まってくる中で、一人ひとりの個性を伸ばし、社会で活躍できる人材に育てていく。それが本学の役割だと考えています。
――北海道では札幌一極集中という問題もあります。
菅原 そこも大きな課題です。新札幌での展開を進める一方で、江別キャンパスにも新しい意味を持たせていく必要があります。その一つが地域貢献型奨学金制度「Ebetsu+(えべつプラス)」です。江別キャンパス(人文学部・法学部)で学ぶ学生が地域貢献活動に取り組み学ぶことで、奨学金を受けられる仕組みで、今年から始めました。現在は複数名が対象になっています。
江別市や近隣市町村には地域課題の解決に取り組む活動があり、そこに学生が参画していきます。単にキャンパスに通うだけではなく、学生が地域に飛び込んで、地域課題の解決に関わる。そうした取り組みを通じて、学生が問題解決力を身に付けるだけでなく、江別に愛着を持つ若者を増やし、地域の活性化にも繋げていきたいと思っています。
――18歳人口が減少すれば、大学同士の連携も重要になります。
菅原 大学の再編は、今後当然出てくると思います。ただ、いきなり法人を統合するといったことは、かなりハードルが高いでしょう。大学にはそれぞれ文化や歴史がありますから。その前段階として、大学同士が連携していくことは十分考えられます。
例えば、資格取得に必要な教員をすべて一つの大学で揃えるのではなく、他大学と連携して授業を行う方法があります。理系の大学は文系の教員を揃えるのが難しく、逆に本学のような文系総合大学は、理系の教員を揃えるのが難しい。だったら、お互いに授業を融通できるような仕組みをつくればいいというわけです。情報系の大学が持っているオンデマンドの授業を利用するなど、全部の科目を自前で抱えなくても教育できる仕組みを考えていく必要があると思っています。
――江別では大学同士の懇談会もあるそうですね。
菅原 江別には4大学による懇談会のような場があります。今すぐ具体的な取り組みが決まっているわけではありませんが、将来的に連携していく可能性はあると思います。大学同士の合併となると、まだまだハードルは高い。ただ、人口減少の問題を考えれば、その前に連携しながら、それぞれの大学を補完していく方向は探っていくべきだと思います。
――札幌学院大学には、学生同士が助け合う「ピアサポート」という特徴もあります。
菅原 ピアサポートというのは、教職員の指導・援助のもと、学生同士が助け合うということです。例えば、英語が得意な学生が、英語を学びたい学生に教える。パソコンが得意な学生が、他の学生をサポートする。障害のある学生に対して、授業への参加を支援する。そうした仕組みを整えています。アクセシビリティ委員会などもあり、学生たちが積極的に助け合える環境を整えています。


































