ーー今年、まず取り組むことは何でしょうか。
諏訪 今年は、国分が函館に出張所を開設してから80周年の節目の年になるので、それに向けてのイベント、展示会などを夏以降に開催します。もちろん記念商品のラインナップも増やしていきます。予定では、4月から札幌市電に80周年のラッピング車両を走らせることにしています。それを広告塔代わりにして市内を駆け巡り、コロナがやや落ち着いてきた段階で80周年をどんどんと告知したい。その他、北海道コンサドーレ札幌のスポンサー契約もしました。当社の『北海道産黒千石きなこあまざけ』を選手に飲んでもらうイベントも予定しています。
私たちはメーカーなどへのアンケートを取って、当社がどう見られているかという顧客満足度を調べています。量販店や飲食店など川下のお客さまからは53%の取引先に評価してもらっています。また、メーカーなど川上分野では58%のお客さまの評価をいただいています。これを早期に両分野とも60%以上にしようと考えています。
ーーオリジナル商品の開発で力を入れる分野はありますか。
諏訪 これから力を入れていきたい分野は、SDGs(持続可能な成長目標)の分野です。既に手掛けていますが、例えば道産の鮭とばの皮で作った『鮭かわチップス』があります。これは昨年7月のウポポイ(民族共生象徴空間)の開業にちなんで作った商品の一つですが、いわゆる再生原料を使っています。こういった商品をどんどん増やしていきたい。
また、つまみ用缶詰シリーズの『缶つまJAPAN』やブランデーシリーズの『島梟(シマフクロウ)』、地産食材のレトルトカレー、即席麺なども販売しています。お客さまに認められる商品の開発を基軸に置きながら、北海道の地産食材を生かし、北海道の工場で生産するなど、北海道に貢献できるようなオリジナル商品の開発を倍増していきたいと考えています。
ーー管理栄養士が考案した弁当もありますね。
諏訪 当社の管理栄養士が考案した500キロ低カロリーの弁当なども食品スーパーと一緒に手掛けています。当社のレシピ提案を基にスーパーが作っているのですが、ロスが出るなどの問題もあるので、それらを改善しながら横展開ができるようなことを仕掛けていきたい。
ーー量販店などに向けた提案力をどう磨いていきますか。
諏訪 当社の営業マンと量販店などのバイヤーとのリレーションの中で組み立てているのが提案力です。その中で信頼関係を築いて商品化に繋げていくことが一番大事だと思います。そういうことの積み重ねが必要でしょう。
ーー道外、海外への北海道産品の供給も使命ですね。
諏訪 北海道フェアなど私たちがコーディネートして道外のお客さま向けに北海道産品を供給していますが、コロナ禍で北海道フェアの開催が限られています。現在は、コロナ後に北海道を訪れたくなるような仕掛けをつくっていこうとしています。海外のお客さまも北海道に来ることができないので、北海道の産品を海外に持っていくスキームをどうつくっていくか検討しています。国分北海道や国分グループの海外事業担当部署、さらに中国や東南アジアの国分グループ事業会社と協力しながら、北海道の産品を食べてみたいという現地のニーズに応えていく活動を行っていきます。
ーー北海道には地域の優れた商品がまだまだあると思います。
諏訪 今後も北海道の優れた地産商品を掘り起こして道外に販売していきます。中小メーカーは道外への販売ルートを持っていないところもあるので、私たちがお手伝いすることによってお互いに活性化するような流れをつくっていきます。北海道産クリームチーズをフリーズドライにした『サクリチーズ』を今年2月に商品化しましたが、釧路の青果卸、ふたみ青果さんと組んで開発したものです。この会社の技術力はすごく奥深いものがあります。当社のマーケティング部の女性陣が一緒にパッケージデザインを考えて販売しており、4月、5月頃には新しいフレーバーのサクリチーズも加えていきます。