コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の2018年3月期(17年3月21日~18年3月20日)は、事業高(売上高)2820億3200万円、経常剰余(経常利益)50億3500万円で前期比1・5%の増収、6・9%の経常減益になった。減益要因は、惣菜事業を子会社のコープフーズに移管したことによる事業総剰余(粗利)の減少や事業経費が増加したことによるもの。IMG_9561(写真は、2017年12月に移転新築した「深川店」)

 店舗事業は、1915億7900万円で前期比0・7%の微増。16年下期に移転新築した札幌市内の「ほんどおり店」(白石区)と「二十四軒店」(西区)がフルに寄与したほか、17年12月の「深川店」(深川市)移転新築も売り上げ増に貢献した。既存店事業高は前期比99・5%だった。

 宅配事業は、840億6900万円で同5・3%増と好調を維持。灯油価格の高騰もあったが、灯油を除いても755億2700万円で同3・8%増となっている。宅配と店舗のポイント共通化による販促効果も出ている。

 共済事業は17億7500万円で同3・9%増、文化教室や葬祭事業、エコセンター事業、電力販売事業などのその他収入は46億900万円で、こちらは同21・7%減少した。新規事業の電力販売は、約26億円で前期より2・3倍増加した。

 事業総剰余は、749億8000万円で前期比0・2%減。事業高の増加が事業総剰余の拡大に結びつかなかったのは、前述したコープフーズへの事業移管による一時的要因。事業経費は、人件費が同1・4%減少したが物件費や減価償却など資本費がやや増加、全体で692億600万円と同0・6%増加して経常剰余を圧迫した。

 店舗事業の経常剰余は18億円の赤字で、前期より赤字幅は6億8000万円増えた。宅配事業は70億円で前期より3億2000万円増になった。宅配の事業高経常剰余率は、8・3%で前期と同水準。剰余金(純利益)は約40億円で前期より13億円増えた。
 
 組合員は171万1178人で前期比5万6521人増えて順調。組合員拠出金は、出資金が698億2700万円で同19億3800万円の増加、組合債は満期払い戻しがあって349億500万円、同14億6600万円減少した。
 また、金融機関の長期・短期借入金合計は、33億円で同12億円減少、15年3月期の153億円から大きく減らした。

 バブル期の拡大策の失敗によって膨らんだ累積損失363億円を16年3月期から7年間で解消する健全化計画は、2年目に入った。累損は前期の326億円から287億円になった。計画に対して14億円、「およそ半年遅れの水準」(コープさっぽろ幹部)になっている。

 19年3月期の計画は、事業高2925億円、経常剰余56億円、当期剰余40億円。店舗事業は1955億円、宅配事業は888億円を予想している。なお経常剰余段階で店舗は16億円の赤字、宅配は71億円の見込み。設備投資は18年3月期並みの60億円で、江別物流センターにノルウェー製の自動倉庫型ピッキングシステム『オートストア』を8億円で導入、コープ本体と関連会社の基幹システム構築に11億円を投じる。店舗に関しては通常の改修投資にとどめる。


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