コープさっぽろ(本部・札幌市西区)が15日発表した2021年3月期(20年3月21日~21年3月20日)決算は、コロナ禍の巣ごもり需要拡大で店舗、宅配共に好調に推移、売上高(事業高)3042億9400万円、営業利益(事業剰余)93億6200万円、経常利益(経常剰余)87億4000万円、純利益(剰余金)は65億円となり過去最高の決算になった。20年3月期と比べると売上高は8・4%増、営業利益は3倍、純利益も2・6倍になった。(写真は、札幌市西区のコープさっぽろ本部)

 売上高は初の3000億円超えとなり、売上高営業利益率も3・0%で前期の1・1%から1・9ポイントも上昇した。売上高の内訳は、店舗事業1917億5100万円(前期比4・6%増)、宅配事業1041億1700万円(16・9%増)、共済事業20億3000万円(4・9%増)、その他収入63億9600万円(1・7%増)。営業利益の内訳は、店舗事業8億8000万円、宅配事業86億円となった。

 店舗事業は営業赤字の状態が長く続き、宅配事業が全体の利益を押し上げる収益構造だったが、21年3月期は店舗事業が前期の23億円の営業赤字から30億円近く改善、宅配の好調と両輪で利益を押し上げた。店舗事業の黒字化は、コープさっぽろが経営破綻した1998年の以前から20数年ぶりという。「宅配事業は3年前から進めてきた物流改革が奏功した。店舗事業は、惣菜強化とEDLP(エブリ・デイ・ロー・プライス)販促、サツドラとの合同企画などで客数が前期並みに推移、客単価向上で黒字化した」(大見英明理事長)

 期中の設備投資は約85億円で店舗建設や宅配の拠点整備、システム系に充てた。組合員数は186万8534人で前期比5万7001人の増加、出資金残高も803億7100万円で32億1500万円増加した。組合債残高は337億3300万円で14億4200万円減少、金融機関借入金は26億2900万円、7億5400万円の減少となった。

 22年3月期は、コロナ禍の需要押し上げ効果が一巡するため保守的な見積もりを行い、売上高は3046億3600万円と21年3月期比0・1%の微増とした。内訳は店舗1900億7400万円(同0・9%減)、宅配1054億500万円(同1・2%増)、経常利益は60億5500万円と同30・7%減を見込む。設備投資は95億円を予定、店舗・宅配向けに65億円、セミセルフレジ導入やクラウドデータ化などシステムに30億円を投じる。

 新規出店は、4月22日の「しろいし中央店」(札幌市白石区)、11月の「山鼻店」(仮称、同市中央区)の2店舗、閉店は「白糠店」(白糠郡白糠町)と「オタモイ店」(小樽市)の2店舗となっている。なお、21年3月期末の累積損失は、約188億円。4~5年先には累損を解消できる見込み。


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