――そういう横内会長の思いの一つが、道経済同友会の中で予定されている「未来検討ワーキング」の設置ですか。
横内 まさにその通りです。今の地方創生の流れの中でもう少し骨太の道を考えてみようということと、数字やデータを分析して将来の道を考えていこうという二つの視点です。徹底的にやってみたい。おそらく行き着くところは、生産性をどうやって上げ、新しいビジネスをどうやって北海道の中でものにしていくかになると思います。それらを第一次産業と第三次産業の中で達成していかなければならない。
――ワーキングはどれくらいの人数を想定されていますか。
横内 道経済同友会の会員や会員以外の方でも入りたいという方がいれば参加はオープンにします。行政にも参加を呼びかけたい。座長は小磯修二・元釧路公立大学学長にお願いすることが決まっています。
――どのくらいの期間で方向性を打ち出しますか。
横内 来年が道経済同友会の創立70周年です。そこで中間報告ができればと考えています。
――言うなれば、次の150年に向けた提言のようなものになりますね。
横内 北海道150年の年にワーキングループを立ち上げて、それを踏み台として未来の北海道を考えていきたい。
――道経済同友会のもう一つのワーキングに『北極海航路研究』がありますが。北極海航路の実現性は如何ですか。
横内 北極海航路に関して昨年かなりの動きがありました。私どもワーキンググループはまだ先のことだが今から勉強をして備えをしておこうということだったのですが、昨年中国のコスコという海運会社の船が、実際に北極海航路を通って積み荷を苫小牧に降ろしました。オランダの船も北極海の気象条件を確かめるため苫小牧に寄港しました。北海道が北極海航路の入口として地理的優位性があることが、少しずつ実際の形で出てきました。
私たちの主張は、一地域としてではなく国策としてこの課題を前へ進めて欲しいということです。従来から国で建造する北極域研究船の寄港地を北海道にして欲しいと要請してきました。北海道大学に北極域研究センターが開設されたので、国の極地研究所の施設も地方分散で北海道へ持ってきて下さいとお願いしています。これらの動きをより強めていかなければいけません。
北海道は北に位置するため地の利がないとしてこれまで開発が遅れてきた実態があります。石炭の時代も長くは続きませんでした。でも北極海航路には北海道に最大の地の利があります。