コロナ下で企業や団体などのリモートワークやテレワークが進みオフィス需要の先行きが見通せないが、札幌市内のオフィスビルではこの4~5月にテナントの縮小や撤退、移動が目立ち始めた。少なくとも10例以上あって市内の賃貸オフィスの需給に影響を与えそうだ。(札幌ではテナントの解約や移動が目立ってきた。写真は、札幌市内)

 緊急事態宣言は解除されたが、コロナ下で進んだ在宅勤務やリモートワークは、企業や団体のオフィス需要の先行きに影を投げかけている。多くの企業が外出自粛による需要減少に見舞われており、業績は低下傾向にある。アフターコロナの社会になっても元の状態に戻るには少なくとも3年間は必要と言われており、オフィスビルのテナントである企業や団体、さらにクリニックなどは、スペースの大きさや賃料の見直しなどを進めているところも多い。
 
 こうした中、4月から5月にかけて札幌市内オフィスビルにテナントとして入っている企業など10社以上が部分解約や移転、撤退などを決めた。中にはビルの建て替えのためビルオーナーの意向で移動したテナントもあるが、多くは業績悪化を見越した部分解約や、より低額な賃料のオフィスビルへの移転だ。
 
 商業ビルはオフィスビルよりさらに深刻。ススキノで複数の飲食店ビルを展開する企業では、テナントの飲食店のうちおよそ20%、100店舗近くが契約解除になる状況にある。また、全国カラオケチェーンの中には代理人弁護士を通じてビルオーナーに一方的に賃料半減を要求するところも出ている。コロナ下の札幌で、オフィスビル、商業ビルの需給悪化が顕在化しそうだ。


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