一般社団法人北海道ファシリティマネジメント協会(略称・HFMA、会長・生島典明札幌市元副市長)は2023年7月14日、札幌市中央区のニューオータニイン札幌2階鶴の間で、「令和5年HFMA特別講演会」を開催した。行政関係者や会員など約150人が聴講した。(写真は、来賓挨拶をする中村裕之衆議)

 最初に来賓として出席した衆議の中村裕之氏が登壇。中村氏は、「千歳にラピダスが進出し、首都圏にあるデータセンターのバックアップ機能を北海道が担うことになっており、デジタルインフラの拠点として北海道が期待されている。北海道が、食料安全保障はもちろん、経済安全保障の要の地となるように努力したい」と挨拶した。

(写真は、杉浦久弘氏)

 特別講演会の共通テーマは、「北海道・札幌の未来へのまちづくり」。基調講演は文化庁次長の杉浦久弘氏が「文化とまちづくり」と題して行った。杉浦氏は、「さまざまな分野でPPP、PFI、コンセッションを活用したまちづくりを進めようとする動きがある。その際に、文化施設やスポーツ施設も大きく関わってくるようになった。文化庁が関わる道内案件のリニューアルや建て直しに際して、道内の市町村や道がうまく連携して力を貸していただきたい。まちづくりに関して、文化庁は地域の人たちと一緒に頑張っていきたい」と話した。

(写真は、岡部和憲氏)

 続いて、一般財団法人北海道河川財団会長でHFMA副会長の岡部和憲氏が、「北海道・札幌のまちづくりの歴史と背景」をテーマに講演。岡部氏は、「冬の文化、雪の文化は、私たちは普段はあまり意識しないが、アジア圏を中心に魅力的に感じる人たちがたくさんいる。それを稼ぐ力に繋げていくかが大事。北海道の魅力をどうやって発信し、不足するものを補って海外から稼ぐか、その中枢機能を持つのが札幌。次の世代に向けて札幌をどうしていくのか、みんなで知恵を絞って考えなければならないタイミングだと思う」と述べた。

(写真は、天野周治氏)

 最後に、札幌市副市長の天野周治氏が「札幌の未来を拓くまちづくり」をテーマに講演。天野氏は、「少子高齢化の進展、人口減少社会の到来など、大きな時代の転換を迎える今、多くの市民に愛され人々を魅了してやまない札幌のまちを持続可能な形で次の世代へ引き継いでいくことが、私たちの責務と考えている。次なる100年を見据えたまちづくりを進めていくため、市民の皆さまとともに確かな歩みを進めていきたい」と語っていた。



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