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 ――行政のバックアップ体制もうまくいっているようですね。また、北洋銀行の「ものづくりテクノフェア」でもNo Mapsの関連展示がありました。既存の業界も応援していることが分かります。

 伊藤 「みんなで北海道、札幌を盛り立てていこう」ということで関係性を構築しています。今は新しい社会に加速度的に置き換わっていくターニングポイントの時期です。何かやらないと取り残される危機感を、どの自治体や企業も持っています。そういう時期だからこそ「No Maps」の親和性が高いと思います。
 
 さらにこれは芸術、文化のイベントではなく産業のイベントで、産業を活性化したいという思いはどの企業も自治体も持っています。「No Maps」によって社会的なインパクトを大きくして起業を増やし、新しいビジネスのきっかけを作って雇用や税収をプラスにしていくことがこのイベントの意義にもなっています。

 ――伊藤社長の立ち位置があってこそのイベントですね。触媒的な役割は伊藤社長でなければできないのではありませんか。

 伊藤 理想的な社会にしていくために、互いに頼るのではなくどちらも汗をかきながら進むことが大事。都府県の自治体では、互いに仲が悪い場合がありますが北海道は歴史が浅いので、オール北海道でまとまりやすい。だからこそ北海道はすごくチャンスだと思う。

 ――子供から大人まで非常に幅広い層が対象ですね。

 伊藤 産業の育成ということでは、子供たちへの教育が長い目で見ると北海道の底上げにつながっていくと思います。小学生たちが10年後、20年後に北海道で新しいことをやっていくことにつながっていけるような取り組みを行っていこうと思っています。
 
 ――伊藤社長は第4次産業革命を北海道から起こしたいと主張されていますね。舞台が北海道にはあると。その狙いをお聞きしたい。

 伊藤 農業や林業、水産業もそうですが、北海道の基幹産業は国内的にも世界的にもすごく可能性があります。既存産業の生産性を上げていくことも必要ですが、新しい産業と結びつけることによって新しい産業の育成も同時に手掛けていけると思っています。特に北海道は面積が広いのですごく使いがいがあります。例えば宇宙産業に関して大樹町は、1つの自治体で全部まかなえる真っ平な大地が広がっています。そういうところが人工衛星の射場を誘致すると交渉を有利に運べます。酪農や畑作では空から生育状況を把握して、それによって出荷時期を調整することも可能です。率先して北海道の中で宇宙産業の実証実験や実用化に取り組んでいくべきです。それによって新しい農業を創っていけると思います。
 
 ――「No Maps」のキャッチフレーズに「社会実験、社会実装の聖地にする」、「まちに、未来をインストール」がありますが、直感的に理解できる言葉ですね。
 
 伊藤 「No Maps」を通じていろんな可能性が出てきて、いろんなことが分かってくれば様々なビジネスに繋がる。単に今までの焼き直しをするのではなくて、新しいことに取り組んでいくことによって、新しいビジネスのきっかけにしていけると思います。

 ――今回はありがとうございました。



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