「シメパフェ」発祥の店「MIRAI.ST cafe&kitchen」(札幌市中央区南3西5、ノルベサ1階)。ここで提供されているパフェには、道東・標茶町産のミルクを原料にしたプレミアムソフトクリームが使われている。なぜ標茶町産なのかーー同店を運営するクリプトン・フューチャー・メディア(本社・札幌市中央区)の伊藤博之代表取締役の出身地が標茶町という縁があるからだ。伊藤氏の「地元の美味しい食材を使って標茶を発信したい」という思いがこだわりの原点だが、その縁が、町全体の地域活性化連携協定へと発展した。(写真は、『北海道標茶高等学校の諸活動並びに標茶町の活性化事業に関する協定』調印式。前列左からクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之代表取締役、北海道標茶高校・三上拓志校長、標茶町・佐藤吉彦町長、標茶町農業協同組合・千葉孝一代表理事組合長、後列左から標茶町観光協会・佐藤紀寿会長、標茶町商工会・田中進会長)

 5日、この「MIRAI.ST」で『北海道標茶高等学校の諸活動並びに標茶町の活性化事業に関する協定』の調印式が行われた。発端は、前述した「シメパフェ」にあるが、標茶高校が昨年秋、道教育委員会から「高校OPENプロジェクト」の研究指定校に認定されたことが大きなきっかけとなった。

「OPENプロジェクト」とは、高校の生徒が地域の一員として地域課題の解決を進めて観察力や行動力、思考力、地域の価値を見いだすことを目的にした地域連携学習の一環。標茶高校は、地元を「パフェのまち」にするプロジェクトを立ち上げ、高校が主体となって町や標茶町農協、標茶町商工会、標茶町観光協会が連携する枠組みをつくった。

 その上で、「シメパフェ」の仕掛人の1人でもある伊藤氏率いるクリプトン社を交え、6者で相互に協力しながら「パフェのまち」づくりに向けた施策を進めていくことになり、今回の協定締結に繋がった。

 調印式で、標茶高校の三上拓志校長は「協定締結によってパフェ事業にとどまることなく、地域環境、文化など様々な分野で諸事業を具体化していきたい」と話した。

 伊藤氏は、「パフェはデザインや味付け、素材選びなどクリエーター的な要素が必要で、生徒たちが食をプロデュースする機会になる。高校、自治体、産業界が連携することで地域の活性化ができるのではないか。文化や情報の発信に貢献して、標茶を盛り立てていきたい」と話し、「パフェの本場、標茶に(パフェを)食べに行こうとなるようにしたい」と期待を込めた。

 協定式では、調印式に先駆けて「MIRAI.ST」と標茶高校の生徒が共同開発したパフェ「ユキネパフェ」も披露された。この取り組みは、さっぽろ雪まつりに合わせて開催される北海道応援キャラクター「雪ミク」イベント「SNOW MIKU」のコラボメニューの一つ。11人の生徒から募ったアイデアを形にしたもので、愛らしいうさぎのキャラクター「ユキネ」をモチーフにしている。

(写真は、「ユキネパフェ」を食べる伊藤氏)

 標茶町の佐藤吉彦町長は、「今回の協定を標茶の元気に繋げたい。また、標茶高校の取り組みを全国に発信し、全国から生徒が集まる高校になってもらいたい」と結び、地元の飲食店などで「標茶パフェ」が食べられるように早期に環境整備する考えを示した。



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